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キッチン展示はもう古い?変わるリフォーム店舗

キッチン展示はもう古い?変わるリフォーム店舗

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 メーカーの最新キッチンとバスを展示したショールームでお客様をお出迎え―――。こんな従来型のリフォーム店舗が変わり始めている。カフェ形式のショップや、若者が集まるファッションビルへの出店、さらにはDIYも楽しめるようにしたりと、新型店舗が続々と登場。背景には「気軽な来店」「潜在顧客開拓」がありそうだ。

《 DIY 》ドイト

ドイト 手ごろな価格でできるDIY手頃な価格でできるDIYを前面に出すことでより多くの来場者を集めようと誕生したのが、ドン・キホーテグループのドイト(東京都新宿区)のショップ。
入店するとすぐにあるのが「DIYスタジオ」。通常のリフォーム店舗より気軽に来店してもらうことを見込んだ形式となる。

月4500人が来店

 大阪、沖縄に計3店舗出店している喫茶店「ファンスペースカフェ」。15種類もの豊富なドリンクメニューのほか、デンマーク産の高級チーズを使用したスイーツ「新町スフレ」が人気だ。1日150~200人ほどの来店があり、月間では約4500人が利用する。

 実はこれ、リフォーム事業を手がける美想空間(大阪市)のショールームなのだ。カフェをきっかけに、平均単価1200万円もの全面改装が年間25件ほど受注に至っている。

 なぜカフェで注文が取れるのか。よく店内の内装を見てみると、無垢のフローリングや造作のドア、さらにオリジナルのテーブルやイスが使われている。この仕様は、同社がリフォームの際に「カフェ風」としてお客さんに提案しているオススメプラン。カフェに来れば、改装のイメージが体感できるわけだ。

 鯛島康雄社長はこう話す。「私たちはリフォームもカフェ経営も手がけているということをネットや雑誌でお伝えしています。そこでリフォームしたいお客様は、私たちに頼んだら、どんな雰囲気に仕上がるのかを知るため、下見のつもりでカフェに来店されるんです」

 しかし、なぜ一般的なリフォームショールームにしなかったのか。鯛島氏は「来店のハードルを下げたかった。いわゆるリフォーム会社の店舗で待ち構えられているよりも、来やすいようです」と分析する。カフェに通っていたら改装したくなったという相談も増えており、潜在顧客の開拓にもつながっている。反響が良いため、大阪にもう一店舗出す計画だ。

《 カフェ 》美想空間

美想空間のファンスペースカフェ美想空間のファンスペースカフェ。カフェで改装を擬似体感し、「おしゃれ」「大丈夫そう」と思った人から具体的な改装の相談に移るケースが多い。

20~30代も視野に

 若者が気軽に来店しやすいよう、都心のファッションビルに出店するケースも出てきた。シンプルハウス(大阪府大阪市)は昨年10月、若者向けのブランドが多数出店する商業施設「NU茶屋町」に新店舗をオープンした。店舗内には、女性もののアパレルや雑貨、ファブリック、北欧のヴィンテージ家具が並び、一見すると、女性向けのインテリアショップ。だが、奥へと進むと、キッチンや洗面化粧台などの設備・建材があらわれ、リフォームの相談もできる。

 ストアリーダーの辻ルミ氏は「これから家を買おうかと考え始める20 代後半から30代前半の方たちの来店が多い」と話す。同社では中古住宅を買って改装して住みたい人向けのサービスを提供しており、若者の顧客が増えてきている。本店はわずか1駅隣にあるが、それでもより若い人に改装の魅力を伝えやすいとの判断で出店を決めた。

 新型店舗が増えている背景にあるのは、リフォーム事業者同士の競争が激しくなってきたこと。内容や立地を工夫し、より気軽に来店しやすいようにすることで差別化を図る。今後もユニークな店が増えそうだ。

《 ファッションビル 》 シンプルハウス

シンプルハウス インテリアの展示を充実させている北欧のヴィンテージ家具や、イランのカシュガイ族が手作りするラグ「ギャッベ」などインテリアの展示を充実させている。20~30代の女性が続々と来店。
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