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TOOLBOX、施主が「編集」する家づくりを支援

TOOLBOX
荒川公良 執行役員
1249号 (2016/01/24発行) 10面
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TOOLBOX(ツールボックス) 荒川公良 執行役員TOOLBOX(ツールボックス) 荒川公良 執行役員

 「自分の空間を編集していくための"道具箱"」をコンセプトに、内装建材や設備などをウェブ上で販売する「TOOLBOX(ツールボックス)(ツールボックス)」。少しこだわりのある物件を集めた不動産のセレクトショップ「東京R不動産」の兄弟サイトとして2010年から開始し、現在では分社化したTOOLBOX(東京都渋谷区)が運営する。2015年9月には、東京・原宿でショールームもオープンした。

家づくりのこだわりを満たす

――そもそもどのようなきっかけで「TOOLBOX」を始められたのですか。

 今はモノ触発で家づくりへの興味を増やしてほしいというのが事業の主流になっていますが、もともとは「東京R不動産」の方で設計料が小さ過ぎて受けられなかった依頼を部分的な職人サービスを提供することで何とかしてもらおうと思ったことが始まりです。

 空間づくりやDIYに興味が割とある方が多かったので、部屋の作り方を提供することで、ある程度自分で何とかしてもらおうと考えたのです。だから部分的な職人サービスを組み合わせて自分でDIYもして、そのついでにモノも選べたらいいという感じで内装材などのモノの販売も始めました。

――主な購入理由、売れている商品は何でしょう。

 圧倒的に多いのが、施主支給の際に買うケースです。売れ筋で一番なのは賃貸物件向けのキッチン。2番目がスイッチで5000円ぐらいのものもありますが売れますね。こだわりが強く出るので施主支給の需要がかなり強いものです。3番目がプラスチックトルテ、4番目がフローリングや足場板、タオルかけ、壁に貼る板材などです。

 商品アイテム数は1300~1400ぐらい。ポイントは素材感ですね。スタッフ皆で良いと思うモノを決めるのですが、客観的なスペックではなく、主観的に良いと思えるようなことを伝えていくのを重要視しています。

 大手ハウスメーカーの商品などは、内装が均質すぎることもあるような気がしますが、均質にして、もう安心となってしまうことが、家づくりに対する施主の無関心さを生み出す原因にもなるような気がします。素材の経年変化や作っている人の背景など、主観的な興味からくる好き嫌いを価値基準で出せるようになれば、家づくりが楽しみに変化するのではと思います。

 施工メニューはひも付きの商品も多いですが、種類は50ぐらい。まだ仕組みづくりの途上なので、全国的な展開には至っていませんが、いずれは拡大していきたいという思いはあります。

施主が編集し、プロが仕立てる

――最終的なミッションは。

 DIYはあくまで一手段で、住まい手自身が家づくりという形の「編集」作業をできるようにすること。そのための支援を行っている感じです。自分がしたいと思っているのは、家づくりのプロセスを変えること。プロが一方的に提案するばかりでなく、施主自身が主導に立って何をしたいかはっきりしてもらった上で、施工という形で「仕立てる」。そうすると家づくりの価値自体も変わるのではないかと思います。

――施主が何をしたいか想起させるようなものも必要ですよね。

 それがHP内で始めた「imagebox」です。内装の事例やアイデアなどを素材の情報とともに公開する。商売するより、客のリテラシーを上げることに興味があるので、今後は施工上の基本的な知識や見積もりの実態、職人の情報も含めて「見える化」しないといけないという意識があります。モノに関しての「見える化」でしたら、最終的にはTOOLBOX自身がメーカー化するべきではと思うのですが。

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