大和コスモスコンストラクション 藤本慎次 取締役
古いマンションが増えていく中、大規模修繕ビジネスが注目されている。大和ハウスグループでは同事業で売り上げ拡大を図ろうと、昨年2月に新会社「大和コスモスコンストラクション」を立ち上げた。新会社の狙い、後発組として他社とどう差別化を図るのか、藤本慎次取締役に聞いた。
デザイン性、延長保証で勝負
――新会社は大規模修繕事業を主力としています。もともとグループの中に大規模修繕を手掛ける会社はなかったのでしょうか。
大和ハウスグループでは、大和ライフネクスト、大和サービスなどのマンション管理会社が大規模修繕を手掛けていました。またグループにコスモスモアという、コスモスイニシアがつくるマンションの内装工事などを行う会社も大規模修繕を、数年間ですがやっていました。
――それらを統合したと。
新会社の現在の営業範囲が関東圏なので、関東圏については私どもに統合しました。というのは大和ライフネクストなどは管理戸数で業界5番目で、全国に管理物件があります。私どもができないところは、まだそちらで大規模修繕を行っています。
――なぜ専門会社を作ったのでしょうか。
一つは大規模修繕を伸ばすためです。様々な会社が手掛けるというよりは、専門的な会社の方がいいということもあります。また、世間には管理会社が大規模修繕を請け負うというのは利益相反という考え方もあります。管理会社はあくまで管理が主体です。
――ターゲットは誰でしょうか。
メーンは大和ハウス工業が分譲したマンションと、グループのコスモスイニシアが分譲したマンションです。合わせると20万戸弱くらいあります。
――大規模修繕工事は大京、長谷工といったマンション開発・施工系や、管理会社系、専業系など様々なプレーヤーでひしめき合っています。どう差別化を図っていきますか。
一つはマンションを開発し販売したという「売主」ならではの提案です。やはり作った会社だから建物がよくわかるということが売りです。もう一つはデザイン性です。コスモスイニシアではグッドデザイン賞を15年連続受賞しています。特に2回目、3回目の大規模修繕時には、デザインが古くなっている建物も多い。機能性向上は当然として見た目の一新にもこだわりたい。
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