KAKUCHO 竹本タイスケ 社長
AR事業を展開するKAKUCHO(東京都港区)が、ユーザーにリフォーム後の部屋の様子をAR映像で見せられるプレゼンツールを開発。9月からサービスを開始した。AR技術で建築業界に革命を起こすと話す竹本タイスケ社長に、住宅業界におけるARの可能性と今後の戦略について聞いた。
ARとは何か
――そもそも、ARとはどういった技術なのでしょうか。
ARはオーグメンティッド・リアリティの略で、直訳すると「拡張現実」。空間や人物、映像など、現実世界で感知できる情報を認識し、そこに、何か別のデータを加えて現実を「拡張」して表現するものです。分かりやすい事例だと、位置情報を使ったゲームアプリ「ポケモンGO」がそう。スマートフォンに表示されるカメラ映像に対して、位置情報などのデータや、その場にはいない映像やCGを重ねて表示するといった使い方が代表的です。
――住宅業界では、リフォーム後の様子を表現するツールとしてVRが伸びています。VRとARの違いはどこでしょうか。
VRは「バーチャル・リアリティ=仮想現実」で、基本的には作り込まれた空想の世界を、まるで現実のように体験できる技術です。一番の違いは、そこに現実世界があるかどうか。ARは現実世界をベースに情報を付加するので、たとえば実際の部屋の「壁紙や床のデザインを変えてユーザーに見せる」といった使い方では、ARの方が優れています。
――ARに着目した理由は。
私はもともとメディア業界出身ですが、もっと社会にインパクトを与えるようなビジネスがしたいと思っていました。とはいえ、エネルギー開発などは、市場がすでに成熟している。導入期にある市場で、競合が少ないもの...と考え、ARに目をつけました。
その場でプレゼン可能
――建築業界向けにまず展開するのが、完成後のイメージを伝えにくいというリフォームの課題を解決するサービスなのですね。

最新記事
この記事を読んでいる方は、こんな記事を読んでいます。
- 1653号(2025/06/16発行)12面
- 1651号(2025/06/02発行)12面
- 1649号(2025/05/19発行)7面
- 1647号(2025/05/05発行)15面
- 1643号(2025/04/07発行)16面