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マンション計画修繕施工協会、大規模修繕ビジネスの適正化に向けて ~ご意見番に聞く《前編》~

マンション計画修繕施工協会
坂倉徹 会長
1295号 (2018/01/02発行) 27面
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マンション計画修繕施工協会 坂倉徹 会長マンション計画修繕施工協会 坂倉徹 会長

 バブル期に建てられたマンションが続々と築30年を迎え、活況を呈している大規模修繕業界。昨年は不適切な慣習が次々と明らかになった1年だったが、適正化への道のりは険しい。150社を超えるマンション大規模改修事業者が名を連ねるマンション計画修繕施工協会(MKS・東京都港区)の坂倉徹会長に業界の現状と今後の展望について聞いた。その内容を前後編に分けて紹介する。

「コンサル問題」には一定の成果

――1年ほど前に、マンションの大規模修繕における業者の不適切なやりとりについて伺いましたが、その後はいかがでしょうか。

 テレビも新聞も設計コンサルにばかり焦点をあてていますが、実はコンサルだけの問題じゃないんです。むしろ、設計コンサルの問題に関しては、たいぶ変わってきました。

――どういうふうに良くなったんですか。

 出してくる設計料の見積もりが適正になってきました。本来ならば10かかるところを以前は3や4で出してきていましたが、7~8くらいまで上がってきましたね。今までは、足りない部分を施工業者からリベートを取って補てんしていましたが、少しずつそういったことも減ってきたように思えます。

――ただ、問題はそれだけで解決しないと。

 そうです。管理会社だって、自社で管理しているマンションで大規模な工事が出てくれば、自分が取りたがる。大規模な管理会社の収益ってのは、かなりの部分が工事で形成されているんですよ。だから、中々やめられない。会社を分離して別会社として工事を請けたりもしていますね。

 管理会社が管理組合の側について、「これは危ない」、「これはきちんとしている」、そういうことをジャッジするというのが本来の姿のはずなんですが。

管理会社の強い影響力

――具体的には、どんなことをしているんですか。

 例えば、「設計はうちが推薦する設計業者が3社4社いるから、その中から選んでください」というわけです。で、管理会社として一緒になって選ぶ。今回はA社に取らせたいから、いくら以上で入札してくれって他の設計会社に指示する。

 そうやって仕事を取らせた設計事務所が、この管理会社が仕事を取れるように仕組んじゃう。中には、信頼があるからと、匿名で設計も工事も管理会社に出すっていうこともあります。

 大規模修繕も2回目とかになると、1回目の評価でもって匿名で良いじゃないかとなるんですね。日常的にマンションを管理しているわけだから、管理組合の役員さんとのつながりってのがありますし。それに、管理会社が大手で、デベロッパーとしても大手だったら、その流れで全部やらせるのが一番安心だとかっていう人も中にはいるんです。

――知ってる大手が安心というのは分かります。

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