クリナップ 竹内 宏 社長
《プロフィール ◉たけうち ひろし》
1956年1月生まれ、兵庫県出身、専修大学商学部卒業。1979年井上工業(現クリナップ)入社。2012年執行役員、16年取締役常務執行役員などを経て、18年1月 営業本部長、18年4月 代表取締役社長執行役員に就任(現任)
創業70年で決意を込めて会社と商品の変革を図る
創業70周年を迎えたキッチン販売大手のクリナップ(東京都荒川区)が、大胆な「変革と創造」に挑んでいる。昨年、同社初の営業畑出身トップとして竹内宏社長が就任。人気の「クリンレディ」をブランドチェンジするなど、攻めの事業展開を推進。10月に経常利益の上方修正を行うなど、業績も前期の損失から回復している。
【聞き手/本紙社長 加覧光次郎、編集部 本庄】
意識改革と組織改編
――社長就任以前は、西日本中心に営業一筋だったと聞いています。昨年、東京の本社に来られ、最初に着手したことは何ですか。
まずは、意識改革です。ここ数年の営業を見てみると、社員の「数字への執着心が薄らいでいる」ことを感じました。セット商品は納期まで2週間くらいかかるのですが、みんな商品発注が終わったら「当月は終わり」という意識なのです。そこで、月末に目標の数値が未達だったら「その悔しい思いを、次月以降にしっかりぶつけてくれ」と訴えました。「意識が変われば行動が変わる、行動が変われば結果が変わる」と繰り返し、意識改革を言い続けています。
――社長就任後も1年間は営業本部長も兼務していましたが、今年3月、その営業本部を廃止しました。
営業全部門の管掌という担当役員は置いていますが、基本的に4支社・1支店の各現場に、人・モノ・金の権限を委譲しました。今までは、何かあっても「これ以上は本社決済」というものがありました。それらを現場でクリアできるようにし、レスポンス良く、お客様に対応できるようにしました。ここ数年はバックヤードを充実させ、営業に専念できる体制を整えることに注力しています。システム導入の時期も目処が立ち、利益や営業効率をもっと上げていきます。
定番ブランド刷新を決断
――今、キッチン業界では、高くて良いものが売れなくて安いもの方が売れる、業界全体が儲かっていない状況があります。
当社でも、中高級価格帯と普及価格帯の構成比は、価格では中高級が6割くらいなのですが、台数ベースでは普及品が62%、中高級品が38%と逆転します。その構成比が変われば、売り上げも利益も変わってくると思っています。
――御社のラインアップでは、高級価格帯が「セントロ」、中高級が「ステディア」、普及が「ラクエラ」ですね。中高級で販売台数が4割だというと会社全体で約22万台だから10万台に届きませんね。

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