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【TOTO社長インタビュー】経営者にと...

【TOTO社長インタビュー】経営者にとって一番必要なのは「誠実さ」

TOTO
喜多村 円 社長
1393号 (2020/01/20発行) 7面
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TOTO 喜多村 円 社長TOTO 喜多村 円 社長

《プロフィール ◉ きたむら まどか》
1957年生まれ、福岡県出身。1981年、長崎大学経済学部卒業後、同社に入社。経営企画部長、浴室事業部長、取締役常務執行役員、取締役専務執行役員などを経て、2014年、代表取締役社長執行役員に就任(現任)。

『リモデルあんしん宣言』で自発的な活動も始まる

 オリンピック開催を控える今年は、かねてより「日本を世界のショールームに」を掲げ、ウォシュレットのグローバル化を加速させているTOTOにとっても、大きなチャンスの年となる。そんな中、就任から6年目の節目を迎えた喜多村社長に、好調なシステムバス事業、リモデルあんしん宣言、後継者選びなどについて話を聞いた。

【聞き手/本紙社長 加覧光次郎】

入るのが楽しみになる新感覚浴槽

――国内住設でシステムバスが伸びています。一昨年にモデルチェンジしたフラッグシップの『シンラ』も好評ですね。

 評判が抜群にいいです。昨年の消費増税前には前年比150、160%くらい出ました。今も120、130%は出ています。

――アメリカで初披露から注目を集めた「フローテーションタブ」の技術を元にした新しい形状を、シンラの「ファーストクラス浴槽」に採用したのですね。入浴中の体を背中と尻、足で支える3点支持から、ヘッドレストによる頭を加えた4点支持でしっかりホールドしつつ、リラックス感覚を得られるという。

 実際には相反するホールド感とリラックス感の両立などと言っても、みなさん、なかなか信じてもらえません。でも、『シンラ』発売前にショールームアドバイザー達が研修で入ってみたら、惚れこみましてね。「自信を持って勧められる」と。それから実際に買って入られたお客様から「毎日、入るのが楽しくて仕方がない」という声が日を追うごとにたくさん上がってくるようになりました。

――製品開発に、人間工学に基づいた設計を取り入れているそうですね。 

 うちは、本気で人間工学などの研究をやっています。説明を聞いても「一体何になるのか?」という訳のわからない研究を毎日やっている(笑)。今、アメリカのサンノゼでも向こうのベンチャーと一緒に研究しているんですが、そこのスタッフは「こんなことが出来たらいいよね」と夢のような理想を掲げ「5000万円欲しい、1億円出資してくれ」とダイナミックに求めてくるんですね。私はコーポレート部門出身で今まで絞る方をやっていた。でも経営者は、10年、20年先の先鋭的な製品を開発できる環境を作っていかないとダメだと思っています。「素晴らしい話だけど、一体いつ出来るの?」という言葉は言っちゃいけない、我慢、我慢の毎日ですよ(笑)。

システムバス『シンラ』は130%の成長

TOTO システムバス『シンラ』は130%の成長【左:従来の浴槽】
身体を支える面が少ないため身体にかかる力が大きい(3点支持)
【右:ファーストクラス浴槽】
身体を支える面が増えるため身体にかかる力が小さい(4点支持)

ユーザーの「わからない」に真摯に応える

――昨年の9月中間期は、消費税の引き上げ特需もあって各社ともリフォーム関連の受注が伸びました。今後の市場をどう見ますか。

 日本のリフォーム市場は、従来の年3%、4%といった伸長は期待できないけれど安定的に高い水準で推移していることは間違いありません。ほとんどの方は自宅を、もっと良くしたいと思っている。あとは「いつやるか?」だけなんです。貯蓄があっても先行きが不安...、加えて新築と違って今ある設備でも暮らせないことはない、となると後回しになってしまうのですね。しかし、リフォームされた方はほぼ100%「こんなに良くなるんだったら、もっと早くやればよかった」と言われます。そこで、ユーザーの方々のリフォームに関わる「わからない」に真摯に応えようと思い、一昨年、『リモデルあんしん宣言』を発表しました。 

――しかしメーカーの御社が商品以外のこと、とくに工事を含めた料金にコメントするのは、難しい面もあったのでは。

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