TOOLBOX 荒川公良 社長
言語化できない「何か違う」を解消
「自分の空間を編集するための道具箱」をコンセプトに、内装建材や住宅設備の販売や定額制リノベーションパッケージの提供を行うTOOLBOX(東京都新宿区)。造作家具や建具、キッチンなど1 6 0シリーズ、2000点以上のアイテムを取りそろえる。目白にあるショールームは、住まいづくりで悩むユーザーにとって駆け込み寺のような場所。昨年12月に社長に就任した荒川公良氏に今後の展開やこれからの日本の家づくりに必要な視点を聞いた。
【聞き手/企画開発部 長田京子】
ストア事業と空間事業に二分
――社長に就任し、新たに取り組んでいることはありますか。
組織変革を始めているのですが、事業をストア事業と空間事業に分けました。もともと僕らは不動産仲介を行う「東京R不動産」から始まり、リノベーション設計をやっていました。しかし気付いたらモノ売り屋さんになっていた。それはそれで走らせながら、僕らがやらないといけないのは空間なのではないかと思いました。
こんな家にしたいけれどどんな材料を使ったらいいのだろう? という問いの答えへのアクセスがなかったので用意し、欲しいものを自分で探そうということをやり続けてきました。プロダクトを選び取ることができたので、今度は空間の完成図を選び取ることができないかと考えたのです。
――具体的にはどのようなことをやるのでしょうか。
実現可能なイメージを供給していこうと思います。ユーザーの中には海外や店舗の事例を参考にしている人も多く、それを日本の住宅に落とし込むときにプロも苦労しています。日本の住宅ベースでイメージをつくり、そこで使われている材料を提供していきます。
――プロはその通りにつくるだけで、ユーザーが思い描いた通りの空間ができあがるということですね。ユーザーと接する中で、実現可能なイメージを供給することの必要性を感じたのでしょうか。
イメージはあるけれど、現場にどう落とし込むか。ここが一番わからないんです。こういうイメージにしたいと伝えて、プロから提案をもらうけれど、できたときに理想の空間になるかというとわからない。そこを解決できないかと。
僕らのところに来る人は最後の材料選びで来ている人が多いのですが、迷って悩んで疲れています。「どうも違う!」と言うんです。リノベーション会社から提案をもらっているが、何か違うと。
――その「何か違う」とは、例えばどのようなことですか。

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