パロマ、着衣着火のリスクを低減する新機能搭載 ガス器具の安心安全イメージ訴求
パロマ札幌研究所
(左)光藤公一 所長 (右)氏家隆 主任代理
昨年、手や洋服の袖の侵入を検知し自動で火を小さくする業界初のエリアセンサーを搭載したガスビルトインコンロ「AVANCE」をパロマ(愛知県名古屋市)が発売した。このエリアセンサーは着衣着火、やけどの危険性を低減させる。この商品の開発秘話を商品開発担当者のパロマ札幌研究所の光藤公一所長と氏家隆主任代理に聞いた。
【聞き手/企画開発部 神舘久仁香】
共同開発で実現
――「AVANCE」を6年前に大阪ガスと共同開発するきっかけは。
光藤氏 ネット上の着衣着火の動画が衝撃的で、ガス器具に対して危険な印象を与えてしまうという危機感が大分前からありました。
着衣着火しないように、例えば炎を短くできないかなどのアイデアはありましたが、使い勝手が悪くなる懸念がありました。
それに対して大阪ガスも同じような思いを抱いており、着衣着火を防ぐ方法をかなり熱心に研究していました。
大阪ガスから声がかかったことと、弊社の社長も着衣着火をしないためにガス機器メーカーとして何ができるかが大事だという考えがあり、双方の意見が合致して、本格的に開発を始めました。
――この商品に搭載されている手や袖の侵入を検知して自動でコンロの火力をコントロールするエリアセンサーの形や配置、個数はどのように決めたのでしょうか。
光藤氏 センサーをびっしり配置することも可能ですが、そうするとセンサー同士が干渉してしまいます。人の手を検知でき、センサー同士の干渉が起きない9個に設計しました。
センサーの形は、商品のデザイン面や天面のタッチ式に関して一般の方にアンケートモニターを行った際の意見を参考にし扇形にしました。
業界初エリアセンサー搭載の「AVANCE」
使い勝手に拘り
――エリアセンサーが感知する範囲はどのように決めたのでしょうか。高すぎても過剰に火が弱くな
ってしまい、使い勝手が悪いですよね。

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