鈴三材木店 鈴木 諭 社長
「柱や梁が手に入らない」。ウッドショックの影響はいつまで続くのか。自ら材木販売店を経営し、業界にも詳しい鈴三材木店(静岡県浜松市・年商40億円)の鈴木諭社長に現状と今後の動向について聞いた。
【リポート/編集部 山蔦和磨】
木材売上30%減に
――地場工務店向けに構造材などの卸を手掛けています。実際ウッドショックの影響はどれくらいありますか。
私どもでは通常、ひと月当たり60棟分ほどの上棟材を各取引先に供給しています。5月までは予定していた上棟分は問題なく乗り切ることができ、建材の販売事業でひと月当たり1億5000万円ほどの売り上げがありました。
それが6月に入り、柱や梁などの構造材は3割から4割ほど入荷の目途がたっていません。ひと月の売り上げに換算すると、30%ダウンの1億円にまで落ちそうです。
――それでも工務店からはもっと「材」を用意してほしいと言われているのではないでしょうか。
前は梁は米松、柱は国産でといったように、仕様を指定してもらっていたんですが今は「仕様は任せるよ」と言われるようになりました。今までは国産の杉はちょっと、という工務店さんもいました。
――それだけ困っている状況にあると。例えば天竜材という地域材を供給していますが国産材でまかなえないのでしょうか。
私たちが取り扱う構造材の内訳は、輸入材が65%、天竜材が20%、それ以外の国産材が15%でして。地元に木材の産地がある私どもでさえ、半分以上は輸入材なんです。
4月以降、輸入材の仕入れ値が20%から50%ほど値上がりしたことで、国産の木材へのニーズは確かに増えました。ただ、急に生産量を上げられるわけではないので、結局足りなくなり、仕入れ値も20%から50%ほど輸入材と同じだけ値上がりしました。輸入材の減少分を国産で補うのは、現状では厳しい。
それに加えて、大手がSDGsを掲げて、国産の木材を積極利用しようという流れもあり、本当に品不足という状況です。
受注と仕入れの紐づけを
――工務店としては見込み客がいても営業しにくい状況です。

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