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【買取再販年間販売戸数ランキング2021・インタビュー】1位カチタス、「年収200万円でも買える戸建てに使命」 ​

カチタス
新井健資 社長
1466号(2021/07/26発行)5面
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カチタス 新井健資 社長カチタス 新井健資 社長

「空き家再生住宅」販売で1000億円目前

買取再販事業を手掛けるカチタス(群馬県桐生市)がコロナ禍でも好調を維持している。グループのリプライス(愛知県名古屋市)を含めた2021年3月期の決算では売上高が前年比8%増の977億円。今期は1000億円を超えそうだ。営業利益も12%増の113億円と好調。同社は全国で空き家となっている戸建て住宅を仕入れて、リフォームして再生後に販売するビジネスを展開。前期はカチタス単独で4500戸超も販売した。新井健資社長に、「負動産」とも言われる空き家ストックをビジネスに変える戦略や、中古住宅流通の課題などを聞いた。

【聞き手/編集長 金子裕介】

地方のテレビCMで周知

――買取再販マーケットのほとんどんの業者がマンションを取り扱います。にもかかわらずカチタスはメインが戸建ての再販です。差別化はできますが、改修部位が多かったり、構造の状態もよく診断する必要があるなど、手間がかかります。

確かにマンションと違って戸建ては物件の個別性が極めて大きいです。例えば同じハウスメーカーが同じ年に同じ型で建てたとしても、川の近くで湿り気があったら木材の傷み方が違うし、オーナーが外壁などのメンテナンスをしているかどうかでも状態が全然違います。パターン化しづらく、一戸一戸オーダーメイドに近い形で企画を立てるという点では、規模の経済が働かない。「大変そうだね、カチタスさん」とよく言われます。

――一つ一つの戸建てを見て、買うかどうか、再生するならどうするかといった判断はマニュアル化しにくい。現場ではどんなオペレーションになっているのでしょうか。

現場レベルで判断する一方で、本部には当然建築士の資格を持っている人もいます。例えば、壁をはがしたらとんでもない状況だった時などは写真を見ながら「これはこうやったらいいんじゃないか」と現場と本部をリンクさせて一つの有機体としてやっているのが、私どもの強みではないかと思います。

そのほか、壁紙を貼る時には下地の処理はこうするといった、どんな物件でも共通するやり方などはパターン化していますし、クレームなどが出た場合は、情報を共有化してチェックリストをどんどんアップデートしています。

――どのような商圏をターゲットにしていますか。

群馬、栃木、茨城みたいな首都圏周辺部でもやっていますが、私どもの主戦場は人口5万人~10万、20万人規模の都市を、北海道から沖縄までカバーしています。販売戸数でいうと九州18%、東北16%、中部15%、関東11%の順ですね。例えば北海道でいうと北見市、釧路市、旭川市みたいなところで平均販売価格1500万円程度の手頃な住宅を供給していますが、パワービルダーも少なく、競合はあまりいません。

大阪、名古屋、東京圏以外の地方で、もう7~8年、テレビCMをコンスタンスに打っています。「家を売る先としてどこが思い浮かぶか」と選択肢を提示しないで想起する調査で、当社が大手さんを抑えて一番高かったという結果も出ています。

リフォーム中に4割販売

――CMを通して物件を仕入れ、再生した物件は自社や仲介会社で販売するわけですが、それだけの数をどう告知して、消費者にカチタス物件を知ってもらうようにしているのでしょうか。

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