ガイズカンパニー 大胡 隆 工事部マネージャー
サイディング施工で年間約15億円を売り上げるガイズカンパニー(神奈川県横浜市)がスタイリッシュなオリジナルユニフォームを製作した。背景にあるのは、若い人材の採用。リフォーム事業にも参入する同社がユニフォーム製作に着手した狙いと、今後の展望について大胡隆工事部マネージャーに話を聞いた。
【聞き手/報道部長 福田善紀】
社員の意見を募って製作
――デザイン性と機能性を併せ持つユニフォーム製作にはコストと手間がかかります。着手された理由をお聞かせください。
3年前に初めて新卒を採用するなど、当社では数年前から、工事に携わるスタッフも若手が増えていました。そこで気になったのが、ユニフォームの着用率。自分で購入した作業着を着ているスタッフも多くて、見た目にもまとまり感がありませんでした。「会社のユニフォームを着ろ」と言うのは簡単ですが、そもそも「着たい」と思えるデザインなら進んで着るはずだし、そんなユニフォームがあれば若手の採用にも効果的かもしれない。そこでオリジナルの製作を考えました。
――デザインなどはどのように決めていかれたのですか?
デザイナーに入ってもらい、先に大まかなデザインを決めてから、素材や色、ポケットの位置などについて社内で意見を集めました。少し驚いたのは、色や素材はもちろんのこと、ポケットの数や位置、深さにもこだわりを持つ社員が多かったこと。皆の意見をまとめるのは正直大変でしたが、使いにくいと結局着なくなりますから、話し合いを重ねながら半年ほどかけて完成させました。
――どのようなユニフォームができたのでしょう。
今回作ったのは、ジャケットとパンツのセットアップ、半そでのポロシャツ、冬用のアウターの3点です。コンセプトは「普段でも着られるユニフォーム」。セットアップは、作業の邪魔にならず、使い込むほどに味が出るように伸縮性のあるデニム素材を採用。パンツには、スケールを引っかけられるフックも付けました。アウターは、肌寒い季節はもちろん真冬にも着られるように、ジッパーで取り外しができるフリースのライナーをセットに。色も2色から選べます。
――社員の評判はいかがですか?
若いメンバーには特にデニム素材が好評で、ユニフォームの着用率がぐっと上がりました。これからジャケットを着用する季節になれば、外部からの反響も届いてくるのではと期待しています。
目指したのは普段でも着られるデザイン
専門工事店のイメージを変える
――ユニフォームを整えると企業のイメージも刷新されます。ブランドづくりによって、今後目指される方向性は?
BtoCのリフォーム事業に参入したので、今後は若年層だけではなく、女性や営業職など幅広い人材を採用する予定です。とはいえ専門工事店は、まだまだブルーカラーという認識が根強い。刷新したユニフォームが「同じ業種でもこの会社はなんだか違うな」と感じてもらえるきっかけになればいいなと思っています。
――ユニフォームの刷新は、ブランディングの一環だった。
おっしゃる通りです。当社が目指すのは、社員それぞれの個性を認め、伸ばしていける文化。それを推進するプロジェクトの一つがユニフォームの刷新でした。他にも、「色に染まる必要はない」という想いから会社のイメージカラーもなくしましたし、ロゴマークも変更。名刺に印刷する新ロゴマークは、社員それぞれが好きな色を選べるようにしています。
――リフォーム事業に入社する方も、今回のユニフォームを着用される?
もちろんです。リフォームは屋根や外壁の塗り替え、張り替えといった外まわりが基本ですが、ドローンをつかった屋根点検も導入予定です。専門業者という固定概念を守り続けるのではなく、時代に合った技術も取り入れながら、まずはリフォーム事業で年間5億円の売り上げを目指します。

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