現場の効率化から経営改善まで一元管理できるクラウド型の建築・建設プロジェクト管理サービス「ANDPAD」。台頭する無料や安価な施工管理アプリへの対応からリフォーム業界のデジタル化の課題など、これからの展開についてアンドパッド(東京都千代田区)の稲田武夫社長に話を聞いた。
アンドパッド 稲田武夫 社長
「成長するかどうかが重要」
――最近になって無料の施工管理アプリが次々と登場しました。小規模事業者はANDPADの機能をすべて使いきれないところもあるので、今後アプリの棲み分けが起きるかもしれません。
昨年、無料ツールまたは低価格の施工管理アプリが増えました。未来はわかりませんが、すぐに大きな影響があるとは思っていません。重要なのは事業規模の大小ではなく、成長するかどうか。今年の売り上げが5億円でも、来年10億円と急成長する事業者は多くあります。事業規模が大きくなれば求める機能も増えます。最初は無料や低価格アプリを利用していた事業者が、そのアプリを卒業してANDPADに移行する。そんな棲み分けは出てくるかもしれません。
――競合も増えている中で、施工管理アプリの利用は広がってきています。どのようなニーズが高いですか。
今、取り組んでいるのは会社全体の仕組みを一元管理すること。昨年から独立系リフォーム会社とともに勉強してきました。小規模な会社でも施工管理アプリを導入したいというニーズは広がっています。施工管理のデジタル化が進むと次は一元管理で、その先にあるのはデータ経営。基幹にある施工管理データをどう活用し、より事業を発展させていくかです。
今年という観点では電子帳簿保存法とインボイスへの対応です。当社では建設業法・電子帳簿保存法など関連法令へ対応だけでなく、タイムスタンプ、電子署名といった機能を備え、工事請負契約や見積もり、請求業務にも対応した電子受発注システムを提供しています。このほかでは施主とやり取りするソフト、アフターの管理に関する機能にニーズがあります。
施主とのやり取りを効率化
――施主とやり取りするソフトは、今あるソフトが進化するのか、まったく新しいやり方に変わるのか。どちらになると見ていますか。
結局「これだよね」というソフトがないのが現状です。ANDPADにもその機能はありますが、施主に認知されているには至っていません。今後は「リフォーム会社と施主とのやり取りをこうしていきたい」と具体的に考えている会社と一緒に作っていきます。
――アフターは標準化が課題ですね。ある調査では約7割のリフォーム会社が顧客から連絡が来た時だけしかアフター対応をしていないという結果もあります。

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