ソリューション 長友威一郎 社長
リアルタイムの意思疎通が重要
時代が変革するなかで、工務店やリフォーム会社はどのような組織作りをすべきか。中小企業に対して組織と人材育成、採用の観点からサポートするソリューション(大阪府大阪市)の長友威一郎社長に、組織のあり方について聞いた。
【聞き手/報道部長 福田善紀】
不安を抱く社員が増加
――コロナ禍で働き方は大きく変わりました。実際、どのように変化しましたか?
リフォーム業界はテレワークや在宅勤務ができず、出社している企業が多くあります。「なぜ他社はできているのに、自社はできていないのか」「自社は遅れているのでは」と不安を抱く社員が多くなりました。
――そのような社員の不安に対して、経営者はどう対処すればよいのでしょう。
幹部や現場責任者とのコミュニケーションが取れていません。コロナが落ち着きだし、経営者は外部に出る時間が増えてきました。現場責任者は部下の育成、安心感を与えることを考えています。経営者は外を見て、幹部は内を見る。「多分大丈夫だろう」「なんとかやってくるだろう」という暗黙の了解が、結果的に溝を作ってしまいます。現状を共有したり、確認したりする時間を取ることからはじめてください。
――どのくらい時間が必要ですか。
週1回1時間、オンラインでも構いませんが対面が理想です。話す内容は確認・共有の2つがキーワードになります。「こうだろう」「あの人はこう考えているだろう」で終わらせず、そこを確認してください。自分自身がやったこと、実行したこと、部下に伝えたことを共有するのです。リアルタイムでやると意思疎通が取れ、認識がずれていたとしてもすぐに修正できます。
週1会議で方向性が明確に
――会議でどのような変化が生まれてくるのでしょう。
経営者と幹部で方向性を確認して実行力を高めることができます。幹部や現場責任者が未来に対して不安なことや会社に対して不明点が多いと、すぐに現場に伝わります。それがなくなるだけでも効果があります。ある程度社歴や経験がある社員に対しては、細かく指示を出すよりも方向性を伝えて迷いを消すことで、目の前の仕事に集中できるようになります。
――幹部や現場責任者では解決が難しい課題もあると思います。
そのような課題が上がってきた時、経営者はその原因を現場責任者と一緒に考えてください。原因を深掘りするのです。現場では視野が狭くなってしまうことが多いので、視野を広げてあげることが重要です。
「聞いてない」をなくす
――具体的な事例があれば教えてください。
ある企業では、社長と常務(次期社長)が週に1時間、会議の時間を取っています。最初の5~10分はお互いの1週間の出来事を共有しあいます。現場で起きたことやそれに対してどんな対応をしたかなどです。こうした情報を共有すれば話は一気に広がります。決定事項、決まったこと、やったことが共有でき、「聞いてない」ということがなくなります。
――御社がコンサルタントする時、会議にも出席するのですか。
当社が会議をプロデュースしています。半年は当社主導で会議をし、その後、部署内や店舗内で実践してもらいます。中小企業の経営者と話すと右腕、No.2が重要と言います。いかに自社でNo.2を育成するかが企業の大きな課題の1つとなっています。
7月26、27日に開催されるリフォーム産業フェアでは、リフォーム産業新聞社さんとコラボし、組織づくりをテーマに特別セミナーを開催します。さまざまな観点で、組織のあり方、存在意義、存在価値を伝えていきます。
リフォーム産業フェア2022
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