oh庭ya 赤嶺賢 社長
顧客ニーズを元に全国98店舗
草刈りや剪定、伐採など庭にまつわる事業で直営とフランチャイズを含め全国に98店舗を展開する「oh庭ya(おにわや)」(愛知県名古屋市)。2004年、一坪100円の草刈りサービスから始まり、現在は花店をはじめ多岐にわたるサービス内容と明瞭な価格設定で、各地で大きく業績を伸ばしている。リピート率8、9割という顧客に必要とされる事業の詳細について赤嶺賢社長に話を聞いた。
「職人」からニーズに応える「サービス業」へ
――改めて、事業の概要を教えてください。
庭木のお手入れや除草、剪定、木を根本から切るとか、逆に植えてほしいとか、お庭のメンテナンスに関する相談や対応全般がメインです。加えて、人工芝への転換や駐車場スペース拡大、花壇を作りたいとかウッドデッキや目隠しフェンスをつけるといったエクステリア工事も行っています。
――独自のサービスメニュー作りを展開したことで拡大したように感じます。
創業当時、一般家庭から草刈りの依頼をいただくようになって、話を聞くと、植木屋さんや庭師さんに、除草や隣家に飛び出た枝を切ってほしいと頼むと嫌がられると。要は庭木の手入れをやる会社が、お客さんのニーズに応えていなかった。草はやらない、木1本だけはやらない、むしろ自分たちがしたい手入れを主張するだけというのが業界にはあった。
だから、かゆいところに手が届く仕事をやれば市場はもっとあるんじゃないかと。僕らは創業時から「この業界をサービス業に」というモットーでやっていますが、そこにこだわったことで受け入れられたのかもしれません。
庭仕事の経験がなくても技術習得が可能
リピート顧客をいかに生み、大切にするか
――ニーズとしてはどういった作業が多く、リピート率は高いのでしょうか?
剪定、除草、伐採の3つが多いですね。単体で依頼されて、行ってみたらこっちもお願いしたいとか、そこで安心してもらって大口のエクステリア工事につながることも多いです。
リピートの定義は難しいですが、大体8~9割のお客さんには戻ってきていただいている感じ。これだけネットのある時代に「こんなサービスがあったんですね」「どこに頼んで良いかわからなかった」という声を多くいただいて、まだまだ潜在ニーズはあるのに、そこにリーチできていないのだと思っています。
――OB顧客のフォローができてないリフォーム会社や工務店がはじめても良いのではと感じます。
ただ、どういう姿勢かによって、うまく行くかは変わってくると思います。単に売上の手段としてやろうとすると、お客さんに不信感を持たれてしまう。もともとエクステリア工事会社にもフランチャイズに加盟いただいていますが、もっと地域に貢献して、お客さんとの関係性を作りたくても、エクステリアだと一度工事すると次までのスパンが長くて難しいと。そこをなんとかしたいということからスタートして、低単価でもお庭の手入れサービスで喜んでもらって本業の受注も増えてと、そうした会社はすごくうまくいっています。
oh!庭ya!横浜店
地域に密着して必要とされる存在に
――花店の事業も展開されていますが、今後の展望を教えてください。
お花も、別に新しく突飛な取り組みをしたいとかではなく、どうすればお客さんにもっと喜んでもらって身近になるだろうということを考えているだけです。お客さんは、特にご高齢な方ほど相談がしたい。リアル店舗で花の販売をすることで、もっとお客さんとの接点を近くに持とうということなんです。
とりあえず1000店舗を目指していますが、いかに「生活になくてはならない存在になるか」が近道だと思っています。たまたま植木の手入れというサービスが入り口ではあるけど、もっといろんな形で地域に貢献できるんじゃないかと思っていて。それは「庭の手入れついでに親の様子を見てきてほしい」とか「話し相手になってほしい」かもしれない。その地域にある意味を深く考えて、時代の変化に合わせて必要な存在になることを追求したいですね。

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