このたび、30周年を迎えた首都圏建設産業ユニオン(東京都渋谷区)。労働・健康保険の登録、賃金や労務環境改善の交渉など、多岐にわたる建設業者や労働者の支えとなって活動しており、2021年時点の組合員数は、1万3411人に及ぶ。2023年に開始されるインボイス制度や2024年の残業の上限規制など、業界を取り巻く環境が変化するなか、菅原良和執行委員長に、諸問題の改善ポイントと今後の取り組みを聞いた。
首都圏建設産業ユニオン 菅原良和 執行委員長
職人への正当な評価と賃金アップが急務
――首都圏建設産業ユニオン誕生のきっかけと、現在の業務内容について教えてください。
もともとあった4つの組合が合併してユニオンになって30年になります。大企業に向けて雇用や職人の地位向上を要請するため影響力を持つには、一つの大きな組織になった方が力を持つということで合併しました。
本部では、組織対策部、賃金対策部、社会保障対策部、労働安全対策部、仕事対策部、教育宣伝部、税金対策部の7部門で対応しています。
――2025年には、職人が90万人不足するというデータもあります。人手不足に向けた有効な取り組みにはどんなものがあるのでしょうか。
中途で雇うだけでなく、自分のところでゼロから人を育てて雇用するという基本に戻らなければ、人はどんどん減っていきます。そして、賃金がそれなりのレベルに反映すれば魅力的な業界にもなっていく。技能者の資格や現場での就業履歴を登録・蓄積し、適切な処遇に繋げるCCUS(建設キャリアアップシステム)の登録も100万人を超えたので、これから、実力のある人にきちんと賃金が反映させられるかにかかっています。
CCUSも、まだ業界内でも十分に知られているとはいえずPRが必要なので、そこを国に働きかけていかなければいけないと考えています。制度として普及のスピードを上げるには、法人事業所で義務化するなどの対策が必要だと思います。
「持続可能な」業界の仕組みづくりを
――2024年の残業の上限規制に向けては、皆さん準備が進んでいるのでしょうか。
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