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JIBUNHAUS.、スマホ一つで家づくり

JIBUN HAUS.、スマホ一つで家づくり

JIBUN HAUS.
内堀雄平社長
1543号(2023/03/06発行)17面
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規格住宅を開発・販売するJIBUN HAUS・(以下ジブンハウス、東京都港区)は、VRなどのテクノロジーを活用し、ユーザーがスマートフォン一つでできる家づくりを進めている。最近では、複数のアバターで同時接続できるバーチャルモデルハウスの提供も開始。家族で住まいの疑似体験ができる「メタバース家づくり」を実現した。斬新なコラボ企画や新サービスを次々と打ち出す内堀雄平社長に、事業の概要と今後の展開を聞いた。

JR東日本とのコラボも

隙間時間を使って
家族が共有できる家づくり

JIBUN HAUS. 内堀雄平社長内堀雄平 社長

──昨年9月から、JR東日本が運営するECサイト「JRE MALL」でスマホを使った家づくりサービスを期間限定で行っています。鉄道会社と住宅会社のコラボは珍しいです。

2022年の始めから提携したのですが、JR東日本から「駅を利用した暮らしづくりのプロジェクトを始めたい。それを先んじてやっているジブンハウスの取り組みを聞きたい」と言ってきてくれたんですね。

今は実証実験の期間で、JRE MALLというECサイトからジブンハウスのサイトに飛んで規格住宅のVRや見積もりを見てもらい、駅の移動時間などの隙間時間を使って家づくりの無料相談をしてもらっています。創業時から「スマホで隙間時間を使って家の検討をしてもらう」という取り組みは変わらないですが、よりパブリックなものにするという意味でJRさんと組むことで「こんな家づくりがあるんだ」というのを知ってもらえたらと思っています。

──ジブンハウスが考える「ミライの住まい選び」とは?

より自分らしい暮らしの実現を目指していこうとしているので「家を持つ」行為よりは「より家族にあった暮らし方の選択」が重要だと思っています。家づくりのプロセスそのものが大切で、今までは、家族間で価値観のすり合わせができていない状態で家づくりを始めているケースが多かったんですね。家を買うのが初めてで、土地や建物の選び方、価格の相場もわからず、注文住宅の場合はイメージもないゼロの状態からデザインするなど、とても複雑なプロセスがあるのに、選択肢もなくプロに委ねるしかなかったわけです。

そうなると、複数を見てみないと比較検討ができませんよね。でも、共働きの家庭が毎回予定を合わせるのも大変で、物理的なストレスも生まれます。だからこそ、そのプロセスを、スマホで隙間時間を使って行うという体験が必要だよねというのを実践しています。

──なるほど、徹底して価格を明示するのも、複雑さをなくす取り組みの一環でしょうか。

明朗会計、価格がオープンというのが一番重要だと思っています。なぜなら、お客様は理想を掲げてこられますが、それを形にしようとすると大体は予算が合わずにグレードダウンしていくという過程になりがち。これもあれも削らなきゃ、と気持ちを落とすような作業が多いですが、それよりは「この暮らしが得られるのはいくら」と明確に提供するために、VRやリアルタイムな見積もり機能が必要です。

価格やプラン、ビジュアルが明確でVRで内覧も済ませているので、加盟工務店での打ち合わせは平均3回で契約に至ります。3回って少ない、あまり熱量がないのでは?と思われがちですが、VRや見積もりを使った具体的な打ち合わせで家族のコミュニケーションがより深まっているのはアンケートなどでも明らかです。北海道と沖縄、東北の一部は仕様を変えているので異なりますが、基本は全国一律価格。資材の高騰などで四苦八苦しましたが、加盟工務店一社一社と協議して難しいことにトライしているという自負はあります。

建てた後のコミュニケーションこそが大切

JIBUN HAUS. JRE MALLで家のPRスタートJRE MALLで家のPRスタート

──暮らしが変化する中で、ジブンハウスでどのような住宅を提供していくのでしょうか。

コロナの状況下で感じたのは、家や暮らしの重要性や感度がより一層上がっていること。リモートワークという選択肢が当たり前になる業種もある中で、例えば、睡眠にとって何が良いか、照度によって眠りや健康が変わるとか、空間と身体性が分かると、より家が楽しくなる、ワクワクするようになるのではないかと思います。

心理的な部分こそ重要だと思っているので、もっと楽しむという方向性で、インテリアやカーテンの色を気分によって変えたり、お庭のガーデニングをしたり、楽しく穏やかになる要素を盛り込んでいきたい。実際私どもも、VR上でカーデニングを重要視していて、商品ごとにコーディネートを変えたり、加盟工務店に各植栽の花言葉などのガーデニングプレゼンシートをツールとして提供したりしています。

──今後、住宅事業者として心がけていることは何でしょうか。

家づくりって何?というところに毎回立ち帰るようにしています。住んでからの部分に焦点をあてたアプリを開発して、暮らしづくりを家族間でできるようなものもスタートしています。5年後にはZ世代が家を買う世代になりますが、ヒアリングなどでも、高額で怖いとはなから諦めている人もいる。それだけに、アフターが買う決め手になっているケースは多いです。買った後にどうなるのかがビジュアル化されていないので、アプリなどでそこを具現化させて分かりやすくしていきたいです。

会社概要
会社名 :JIBUN HAUS.
本社所在地 :東京都港区
事業内容 :規格住宅ネットワーク
加盟店数 :約140
年間住宅棟数 :約250(ジブンハウスブランド全体)

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