ユウワ 今井直人社長
本社 * 新潟県新潟市 / 設立 * 平成13年5月 / 資本金 * 1000万円
年 商 * 約7億円 / 店舗数 * 2店舗 / 社員数 * 25名
毎週2時間、すべての工事をチェック
新潟市内に2店舗を展開し、2012年度7億円の売上げを見込んでいるユウワは、施工管理の徹底とOB客との関係強化を当面の目標としている。施工のクレームを減らすことで、リピーターを増加。その上で、OB客向けの暮らしサポートシステム「絆倶楽部」チームの分社化も狙う。同社の今井直人社長に今後の戦略を取材した。
各店に施工管理の専任者を配置
―――新潟も大分競争が激しくなっていると感じますが、目下の強化課題は何でしょうか。
1つが施工管理です。最近は工事の質も求めている人が増え、3年前と同じことをやるとクレームにつながるケースが多くなりました。そこで、営業が施工管理をしていた体制を変え、両方の店舗に資格を持った施工管理専任者を1名ずつ置きました。彼らの仕事は原価管理と工程管理でして、週に1度、施工管理会議というものを店長と私も入れたメンバーで2時間ほどかけて行い、全ての工事をチェックしています。
―――施工管理会議とは具体的にいうとどんなものでしょうか。
着工前に実行予算を1件ずつ決めることと工程のチェックをするための会議です。大きい工事でしたら、見積書の段階で決めたものと、工事前、工事中、工事後にどのくらい変わったか、変わったならその要因を洗いだします。2%以上の乖離がありましたら、改善策を提出します。
―――そうなると利益率が高まったのではないですか。
良くなるようにしている段階です。正直なところ、今は完工粗利が30%を切っています。ただ、1店舗だったときは31%ほどでしたので、うまくいっていたのですね。3年前に2店舗にしてから崩れだして、今再構築している段階です。ひとまず13年度は完工粗利で33%を確保したいと考えています。
―――会議を行うようになってから工程も変わってきましたか。
工事の大小問わず、工程のずれがなくなりました。今までですと、曖昧であった職人の工事内容の問い合わせ先が1本化しましたし、書面の統一化ができたことが大きいです。従来は仕様書や仕上げ表のフォーマットが営業ごとに、バラつきがありましたが統一され、工事内容の見える化が進みました。
有料会員数を2年後1000件に
―――クレームが少なくなったことで、今後のリピーター数は増えていきそうですね。
現在、よりリピーターを増やすためのOB強化にも力を入れています。OB客をいくつかの層に分け、より重要度が高い方には2ヵ月に一度ニュースレターや感謝状などを送っています。また、約3年前にOKUTAさんが行うOB客向けの住まいの便利屋サービス「ハンディマン」に加盟して作った「絆倶楽部」という有料会員を増やしているところです。
―――現在の会員数はどのくらいですか。
300件ほどです。年間600件ほど工事がある中、新規の入会者数は年100件くらいです。専属チームはリーダーと職人3名、事務1名の5名体制でして、2015年の4月までには会員1000件を目指しています。
―――会員になり年会費を払うと、積み立てたお金をリフォームに使えるサービスですよね。その上、工事の契約金の5%還元やトイレ便座交換、カーテンレール取り付け、網戸洗浄といった最大52種の作業が電話1本、無料で受けられるので特に高齢者などはありがたいと思います。
今でも電話1本で飛んでいき、除雪やLEDライトの取り付けなどに対応していますので、この絆倶楽部で地域守のような立場を確立したいと思っています。しかし、地域を狭めてサービスを提供しないとガソリン代がかかりますし、自ら職人を抱えていると、コストのリスクがあります。そこで、この「絆倶楽部」の対応チームは分社化していきます。
さらに、今後5年でしっかりした教育、独立制度をつくり、新潟県内の村上から上越までのエリアで、この住まいの便利屋の多店舗展開をしたいと考えています。「絆倶楽部」から発生する工事は30万円以下が全体の7割ですが、それをないがしろにできませんので、その対応を彼らに委託し、利益率の高い商売をしていきます。
300件の会員がいる「絆倶楽部」

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