トイレやバスなどの設備工事などを1人で行う多能工を育成するリフォーマー専門学校(広島県呉市)。2016年4月の開校以来、最短20日で多能工の技術を身に付けられる場所として、全国から受講生が集まっている。コロナ禍により受講生が減少していたが、5月以降は問い合わせが倍増していると話す大澤仁志代表理事に現在の状況を聞いた。
20日でトイレ等の施工技術習得
助成金利用で受講費用最大半額
短期間で多能工を育成
まったくの素人が多能工に
── 開校から7年が経ちました。コロナ禍を経ての状況はいかがでしょうか。
5月以降、コロナ禍の真っ只中と比べると倍以上の問い合わせをいただいています。来ている方の業種はさまざまで、不動産賃貸業や工務店の営業さんが多く来られていますね。そういった会社が、本職を呼ぶまでもない軽微な設備の入れ替えや修繕を外注せずに自社でやりたい、あるいはオーナー自身が自社物件を直したいといったニーズが多いです。
── 20日間のカリキュラムで身に付けられる内容を教えてください。
全くの素人向けの初級クラスから、何かしらの職人や現場監督を経験された方向けの上級クラスまで、受講生の能力に合わせて進めます。初級は道具の使い方に始まりトイレや洗面の脱着、上級は一人で和風トイレから洋風トイレへの入れ替え、1坪半くらいの水道や木工事、クロス工事が一通りできるようになります。どのクラスでも、実地の学習をすれば、蛇口やトイレ、洗面台などの器機の交換ができるようになります。講師陣は全員、リフォーマーと呼んでいる多能工の実務経験者で、カリキュラムに沿って教えていきます。トイレやキッチンのモデル空間で繰り返し作業しながら覚えられるのが強みです。
── 企業からの派遣で来られる方が多いのでしょうか。
そうですね、20〜50代の社員さんが多いです。道具の名前も知らないという方から、水道工事はできるけど、他の施工ができないので教えてほしい、現場監督経験が10年以上あるけれど、クロスと水道工事のやり方を教えてほしいという方まで、さまざまです。
助成金の利用も可能
── 費用はどのくらいですか。
各コースとも20日間で50万円ですが、助成金次第では約半額になります。講義時間は月〜金曜日の8時半〜17時半。宿泊施設は24〜25泊を7万円で提供していて、そこから貸し出し自転車で10分くらいの所まで通ってもらいます。土日は休みなので、皆さん呉や広島の観光などをして過ごしていますね。
── 職人確保や施工の問題はより厳しくなっていきますが、まだそこに手を打っている会社は少ないと思います。今後の展望を教えてください。
そうですね、現在はコンスタントに月1人は来られていますが、それが3、4人くらいになると運営している甲斐があるなと思っています。
加えて、7周年となったので遠方で行きにくいという方向けに、期間限定でリフォーマー育成プログラムのDVDを特別価格で販売するキャンペーンを行っています。

最新記事
この記事を読んでいる方は、こんな記事を読んでいます。
- 1653号(2025/06/16発行)12面
- 1651号(2025/06/02発行)12面
- 1649号(2025/05/19発行)7面
- 1647号(2025/05/05発行)15面
- 1643号(2025/04/07発行)16面