Standard Force、1日30分の学習で資格取得 月1650円の建築学習ウェブサービス
Standard Force 原田 岳 社長
1日30分、2カ月間継続学習するだけで、2級建築施工管理技士の資格で現在、合格率100%を実現しているウェブサービスがある。建材流通で100年以上の歴史をもつLTU(長崎県大村市)グループのStandard Force(長崎県大村市)が提供する「NOGAZO(ノガゾー)」だ。資格学習で使用されているほか、基本的な建築知識の勉強においても使用されており、現在50社で導入されている。その仕組みについて、原田岳社長に話を聞いた。
1日30分の復習を2カ月続けるだけ
――まず、ノガゾーの学習システムについて教えてください。
人間は勉強しても忘れていくものですが、忘却理論に基づいて、よいタイミングで復習すれば記憶が定着し、非常に効率的に記憶に入るという仕組みを活用しています。1日経ったら復習し、次は3日経ったらというように間を空けていくのですが、前回勉強してから一定時間が経ったコンテンツをシステムが自動的に提供してくれるというものです。
――そういった学習方法は、今までにもあったのですか。
実は、復習に重点を置いた仕組みはあまりありません。学習塾でも、自習や過去問を解くことよりも、授業に非常に多くの時間を割いているところが多いんですね。2級建築施工管理技士の資格試験向けコンテンツでも、とにかく過去問をやりながら、復習が一定のタイミングで出てくるので、その波に乗ってちゃんとやれば、試験の時には間違いなく解けます。
――どのくらいの学習をすると資格の合格にいたるのでしょう。
2級建築施工管理技士の試験では、1日30分の学習を2カ月続ければ、ほとんどの人が満点である60点の9割以上を取って合格できます。私の場合、1級建築施工管理技士の1次試験は満点でした。勉強時間をそれほど取られませんので、皆さんスマートフォンを使い、家でソファで寝転がりながらというように、気楽なスタイルで使われています。
復習の際に、もちろん間違えたところはやりますが、間違えていないところもやるのが特徴です。資格試験は4択が多いので、たまたま合っているということもありますよね。理解があいまいだと、試験で迷った挙句に間違った答えを選んでしまうこともよくありますが、そういった傾向を含めて理論的にシステムが組まれています。基本的に人間の脳の構造は皆同じなので、頭の良し悪しなど関係なく、きちんとやれば誰にでも有効です。
気軽に取り組めるため、継続性が高そうです。学習するタイミングはリマインドが入るのですか。
メールなどで通知が来ます。ノガゾーは組織で勉強するソフトなので、たとえば会社で使う場合、個々の学習状況が上司のもとにも届くんですね。「君、2級建築施工管理技士受けるって言っていたけど勉強してないよね?ちゃんと勉強してね」などと指導もできるわけです。1問解くのに1分半ほどで終わりますし、やればやるほど記憶にすいすい入っていくので、どんどん学習時間が短くなっていきます。
――今後、ほかの資格試験向けコンテンツを増やす予定はありますか。
いまのところ2級建築施工管理技士のみですが、宅建士や建築士試験向けも制作する予定です。どちらも、同じように2カ月で対策できると思います。
携帯で簡単に学習可能
効果的な実務教育システムとして
――資格試験向け以外には、どういった活用がされているのでしょうか。
実は資格試験は半分おまけみたいなもので、一般的な用語や図面の見方といった実務での学習を想定して開発しました。たとえば、サッシの呼称とか内法(うちのり)とは何かとか、提携する大手メーカーの施工や説明方法などといったコンテンツが1000以上入っています。
各メーカーの企画部が作る資料をもとに作って、チェックもいただいて精度が高いのが強みで、各メーカーの営業担当もノガゾーを使って勉強しているくらいです。
――つまり、建築業界に携わる上での基礎知識を学べるわけですね。
そうですね、販売店や工務店、大手問屋やメーカーに、自社商品の勉強などの社内学習を中心に使っていただいています。導入の初期費用はなく、1IDにつき月額税込1650円で使い放題、1IDから使っていただけます。使用者を変えることもできますが、学習履歴が保持されるので、また別の勉強をする際に活用できます。
――今後、どのように展開されていくお考えでしょうか。
新人を含む社員教育はもちろん、内定者に学習してもらうのも良いと思っています。継続的にコンタクトを取る理由にもなるので、辞退率を下げる効果があるかもしれません。
販売代理店はどんどん増えていて、募集も行っています。コンサルタントなどとも連携して、住宅営業や現場管理の方法なども提供していきたいと考えています。業界の教育システムを広くカバーしていきたいですね。
会社名 | :Standard Force |
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代表者名 | :原田岳 |
本社所在地 | :長崎県大村市 |
設立年 | :2018年10月 |
事業内容 | :教育アプリ「NOGANO」の開発・販売、ソフトウェアの開発・販売など |
関連会社 | :LTU、富建 |
この記事の関連キーワード : LTU Standard Force スマートフォン 建築施工管理技士 資格

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