豊田市周辺のみでリフォーム売上高22.8億円

トヨタすまいるライフ　中尾益大社長

本社　＊　愛知県名古屋市　／　設立　＊　1969年　／　資本金　＊　10億円　
従業員数　＊　1502名（うちリフォーム営業32名／　売上高　＊　約380億円

地域イベント「すまいる博」に2000組来場

トヨタすまいるライフ（愛知県豊田市）はトヨタ自動車のお膝元、豊田市周辺に営業エリアを絞りながらも、リフォーム売上げは22億8000万円と愛知県内では指折りの数字を誇る。あと5年で50周年を迎える同社の中尾益大社長に会社の成り立ちとリフォーム事業戦略を聞いた。

福利厚生からスタート

　―――御社はトヨタホームの販売を主業務としながらも、他の販社とは生い立ちが異なるそうですね。
　トヨタ自動車、当時はトヨタ自動車工業と言っていましたが、従業員の定着率を上げるために設立されたのです。私は昭和46年入社ですが、その2年前に会社ができましてね。その時の一番の悩みは大量に現場の人を採用しても、一気に辞めていくことでして、いかに定着させるかがトヨタ自動車工業のテーマだったのです。１つは結婚して、持ち家をもたせるのが良いじゃないかと、その推進策として社内ローンを始めました。窓口になったのが、弊社です。

　―――なるほど、その流れで住宅事業も手掛けたのですね。
　はい。次第に分譲事業も始め、そのうち昭和50年代の初め、トヨタ自動車が住宅事業に参入し、トヨタホームを始めたものですから、当然私どもの主力商品もトヨタホームになってきました。そして住宅事業を進めていくなかで、リフォームも出てきたわけです。

トヨタホームOBが中心

　―――そうなると、リフォームはトヨタホームOBの方が多いのでしょうか。
　成約件数で言いますとトヨタホームOBの方で大体56％、一般の方が44％です。ただ、木造住宅を売っている時代がありましたので、その方やリフォームのリピーターも新規のくくりに入っています。売り上げでいうとトヨタホームのOBの方で約35％です。

　―――4拠点ありますが、地域は豊田市周辺に絞っていますね。
　先程も言いました通り、弊社の特性といいますか、トヨタ自動車の福利厚生会社という役割は継続していますから、やはりこの地域なのですね。愛知県でも、尾張名古屋や、三河でもトヨタ自動社の従業員が住んでいる豊田市を中心に岡崎やみよしなどがほとんどです。

　―――リフォームは地域密着が基本ですから、集中している利点はあります。
　お客様に言われたらすぐ行ける。近くに行ったら訪問する御用聞きのような役割も必要ですので、集中していることは条件として良いなと。これ以上エリアを広げるのではなく、地域特性を生かして、深掘りすれば売り上げは上がると思っています。

　―――今後の戦略はOB客の掘り起こしということですね。
　今まで建てたお客様として戸建てで約８０００戸、マンションも平成４年に始めて２７００～２８００戸ありますから、合計1万ちょっとになります。リフォームの母体はここになるわけです。私はストックビジネスという言い方をしますが、要するにオーナーの方との結びつきをいかに強くするかが大事です。

　―――これからOB客へのフォローを拡充するということですか。
　新築を買ってもらい1年ぐらいはかなり濃密なフォローをするのですが、5年、10年とたってくると正直、手が離れてくるわけですよ。5年点検と10年点検の間で、5年間ははっきりと空くわけですから。より頻繁に顔を出す、濃密な接触をすることがすごく大事なことだと思っています。そのためお客様に担当営業マンを信頼できそうと感じてもらい、建て替えやリフォーム、売却などワンストップで何かあったときに言ってもらえる関係が必要だろうと。その仕組みづくりをしているところです。

　―――営業担当が、リフォームや不動産などさまざまな知識を有して対応していくということでしょうか。
　そうですね。主に新築を担当する者も、お客様と話をすると新築以外の話題も出ます。オールランドに知っておくということが絶対役に立つだろうと。そのためにある程度ローテーションで回していくことを考えています。新築担当がリフォーム、あるいは施工担当を経験すれば、知識が高まりますから、まずは何人か目星をつけてやっていこうかと。