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断熱の不備は「施工が原因」

断熱の不備は「施工が原因」

マツナガ
松永潤一郎社長
1073号 (2013/05/21発行) 3面
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「断熱施工専門店」として年間約100件の断熱改修を行うマツナガ(東京都練馬区)には、日本全国から住宅の断熱に関する悩みが寄せられる。松永潤一郎社長に、近年注目を集めている「住宅の断熱性能」について話を聞いた。

断熱材の隙間5%で性能は56%に

 ―――一般ユーザーからどのような悩みを寄せられることが多いですか。
 マンションの場合は結露や音のトラブル、戸建ての場合は部屋の中の暑さ、寒さへの不満が多いです。

 ―――やはり築年数の古い物件が多いのでしょうか。
 そうとも限りません。築2、3年の住宅でも相談を受けることがあります。築年数の浅い物件でも性能が低い原因は、多くの場合施工に問題があります。マット・ボード状の断熱材を施工する際、断熱材と間仕切りなどの間に少しでも隙間ができると断熱性能は著しく低下します。一般的な断熱材では、5%隙間があると性能は56%に、隙間が10%で13%まで性能は低下します。

 ―――そのような問題を解決するために、どのような施工を行っているのですか。
 ケース・バイ・ケースですが、当社が推奨しているのは、隙間なく施工することができるセルロースファイバーの吹き込みです。また一般的なセルロースファイバーは時間が経つと徐々に沈下し、隙間ができてしまいますが、当社では麻を入れて経年沈下を防ぐオリジナルのセルロースファイバーを使っています。

 ―――具体的に住宅のどの箇所への施工が多いですか。
 天井裏の施工が多いです。熱は上に向かって逃げていくので、天井部分にセルロースファイバーを吹き込むことで、それを防いでいます。このような部分的な断熱改修で20~30万円程度、住宅の大規模改修に合わせて断熱改修を行う場合は400万円以上になることもあります。

 ―――啓蒙活動も行っているのですか。
 取引のある工務店向けにセミナーを行うほか、一般ユーザー向けに講演もしています。業者・ユーザーともに、断熱に対する関心と理解はまだまだ低いのが現状なので、このような活動で断熱にもっと興味を持ってほしいと思っています。

この記事の関連キーワード : マツナガ マンション 断熱性能 断熱材 東京都練馬区 間仕切

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