エディオンハウスシステム 笹沢淳取締役
今期のリフォーム売り上げ計画は450億円
全店でトイレの取り扱いを開始
エディオンは2009年にリフォーム事業に参入後、家電量販店が持つ知名度、信頼感などを背景に、わずか4年で売り上げは300億円を突破した。ただ、現在の成長スピードでも2015年度で1000億円の目標達成は難しい。そこで、今期から事業領域拡大という新戦略を進めていく。
「ぷちDEリフォ」で潜在需要を開拓
―――「ぷちDEリフォ」という小規模工事を始めましたが、これは従来、リフォームを取り扱っていた172店以外の家電量販店でも取り扱うそうですね。
はい、325店舗(3月末時点)全店で導入しました。最初に始めた商品がトイレです。実はエディオンでは年間8万台ぐらいウォシュレットが売れていまして、買いにこられるお客様というのが壊れた方なんです。ということはトイレを設置してから少なくとも10年ぐらい経過しているのですよ。その方にこんな安くて、節水になるトイレがあるのですと提案するのです。
―――つまり、リフォームコーナーとは別の場所にトイレを置いているのですか。
ウォシュレット売り場に置いています。今まではウォシュレットの担当者はトイレのことを知りませんでした。お客さんにしてもトイレを入れ替えると床も壁も壊して、金額は50、60万円、工期は1週間もかかると思っている人が大半ですよ。だから、便器も交換できるんですと話をすると、「えっ、そうなんですか」となるわけです。
―――トイレが1日で交換できるとなると、驚きますよね。
価格も12万9800円と、エアコンとあまり変わりませんから。重要なのは需要開拓ですよ。顕在化した需要を追いかけるのではなく、ウォシュレット交換だけで終わっていた方に、いかに便器交換までしていただくかですね。
―――初めて間もないですが、どのくらいの数が売れているのでしょう。
「ぷちDEリフォ」だけで、月間600~700台です。従来のリフォームコーナーでのトイレ販売台数と合わせると月間1200~1300台になります。
―――年間にすると1万台をゆうに超えますね。小売店では最大手じゃないですか。
そう聞いています。続いて始めたレンジフードは7月から2週間で230台売れました。
―――これも、家電のどこかの売り場にくっつけて販売しているのですか。
IHやガスコンロ売り場です。フィルター売り場もよかったのですが、置く場所がなくて。これもトイレと同じ考えで、レンジフードだけ交換できると思っていないお客さんがたくさんいるのです。レンジフードが壊れたら修理と思っているか、キッチンごと全部交換しないと、という意識なんです。それが3時間で交換できますから。
―――これもまさに需要開拓ですよね。最新の商品は掃除がはるかに楽なことなどを知れば、「じゃあ交換しようか」となります。
価格も4万9800円からありますので。もっとも訴求を考えているモデルでも7万9800円です。
―――さらにまもなく洗面化粧台の販売もスタートしますね。
洗面は洗濯機売り場で販売します。洗濯機を買いにこられた方の家は、10年から20年経過しているでしょうから、洗面ユニットを替えていない可能性があります。洗濯機と一緒に化粧台も替えられるなどと思っていないですから、需要があるわけです。
―――「ぷちDEリフォ」の商品増加予定はあるのですか。
ずっと増やしていくでしょうね。これがまさに家電量販店のリフォームですよ。住設業界がやりたがらない、細かくて面倒くさい工事。そこに価値があります。他がやっているものを横取りするのではなくてね。
―――ただ、これだけ、需要が急増している中で施工はどうしているのですか。
これからは施工業者を増やすことも必要でしょうけど、例えばレンジフードですとエアコンの施工業者が夏以外はできますよ。

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