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リプライス中古再販事業11年度の売上47億円

リプライス 中古再販事業11年度の売上47億円

リプライス
星山敏秀 社長
1050号 (2012/11/27発行) 5面
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リプライス 星山敏秀 社長

リプライス 星山敏秀 社長

東海地方を本拠地に6つのエリアで中古住宅の再販事業を展開するリプライス(愛知県名古屋市)は7期連続で、130%以上の成長を続ける。ブランド名「再生住宅」で、目指す先は"住宅業界のユニクロ"。星山敏秀社長に同社のビジネスモデルと成長の秘訣を聞いた。

ホームページ上で購入の流れを詳しく説明
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全国展開を開始

 ―――中古戸建て住宅の再販事業をメーンにして全国的な展開をしている会社はなかなかありません。再販ビジネスに焦点を合わせた理由は何でしょうか。
元々、私どもはビルや商業施設を中心に不動産事業を行ってきましたが、リーマンショックを機に、今後工業物は動かないだろうと住宅の再生事業に特化していきました。そのため4~5年前はホームページも総合不動産会社のようなイメージでした。

 ―――売上げの推移を見ると、5年前に17億円だったものが前期で47億円と急速な勢いで伸ばしています。その原動力は。
市場自体は飽和状態になっていますので、売上げが伸びているのは組織的な取り組みが寄与していると思います。2010年度を第二創業期と位置付け、その頃から本格的に地方に事務所を構築していきました。現在は本社のある東海のほかに、東北、関東、関西、中国、九州にそれぞれ拠点を設けています。

 ―――再販事業は仕入れと地域ごとの特性の把握が成功のカギになると思います。そうした意味で、ビジネスモデルをそのまま地方に落とし込むのは難しくないですか。
売上げだけ見ますと、ベンチャー気質があり、イケイケの会社と見られがちですが、中にいる人間からすると非常に慎重な会社だと我ながら思います。例えば仕入れでいうと、市場性がわからなければ物件は買わないという判断を取ります。しかし、わからないながらに事業を展開していると1戸、2戸と良い物件は出てきますから、それを押さえていくことですね。
仕入れは東海の感覚でみてはいけないので、検証の繰り返しですよ。それと、地元の不動産会社やパートナー企業とのネットワークが情報面では重要です。

 ―――仕入れ先は、各地の不動産会社ですか。
それもありますが、6割ほどは競売での入札です。本社に仕入れ専門の部隊がありまして、出口の価格を決めた上で、最低利益を確保できるかのジャッジをしています。

 ―――通常だと物件を買ってから利益をのせて販売価格を決めるパターンが多いですよね。
そうですね。弊社は逆でして、その物件のスペックであれば、いくらで売れるかを先に決めてしまいます。そうするとリフォームにいくらかけられるのかが決まりますよね。その上で最低利益を割り込めば「買わない」という判断になります。

 ―――ただ、戸建ての場合、壁を剥がしてみてビックリ、などということもあるかと思います。リフォーム費用の判断は難しいところだと思います。
確かに、そうした面もありますので、重要なのは現場の担当者の目です。細かく均一の基準を設けていますので、お客様が気になる水回りや床、壁、天井の破損具合などを見ていきます。それと基本的に昭和の物件は買わないようにしていまして、築年数の浅いものに絞っています。

 ―――リフォームでも全面改装から部分交換まで幅がありますが、買い取った物件に対しどの程度の工事を行うケースが多いのですか。
物件の新築の頃への原状回復工事はマストで行い、あとは現在のニーズに合わせ、畳の部屋をフローリングにするなどの改修も行います。

低価格でお手頃感を

 ―――するとスタンスとしては費用を大きくかけてリノベーションというよりは、価格を抑える方に力を入れているわけですね。
物件によって判断が変わってきますが、基本的にはあまりリフォームをかけ過ぎると、価格があがり新築を買った方が良いとなってしまいます。関東でも都心部ではなく、埼玉に支店を出しているように、郊外エリアを狙っていまして、そこでデザインに凝り300、400万円高いというより、なるべく価格を抑える方を重視しています。都市部だと中古マンションでも3000万円、4000万円しますが、地方はスタートラインが異なる分、感覚に差がありますね。所得が下がると価値観が違いますから。

 ―――つまり、狙いとなる層は所得が高くなく、新築には手が届かない一次取得者ということですか。
そうです。平均単価は1500万円ほどですが、地方では1000万円を切る場合も多いです。お客様が価格を見たときの割安感が重要ですね。

 ―――販売は不動産会社を通してですか。
6、7割はそうです。あとはリクルートのSUUMOなどポータルサイトを通じて販売しています。以前はチラシなどもまきましたが、どうしても反響率を考えるとネットが強いですね。

 ―――あと再販事業で重要なのは、仕入れから販売までの期間ですが、どのくらいのサイクルでまわしているのでしょう。
100日を目標としていますが、長短がありますので今は平均100日強ですね。早い物件だと、リフォームしたときに既に買い付け契約が入ることもあります。昨年の販売棟数は300棟を超えました。

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