近畿ライフサービス 森崇伸社長
年商10億円弱のうち、約8割をガス給湯器の販売・施工で売上げる会社がある。その名は近畿ライフサービス(大阪府吹田市)。販売方法の99%はWEBによる集客であり、スピード対応と丁寧なサービスを武器に右肩上がりの成長を続けてきた。総合リフォーム会社への変革も目指す同社の森崇伸社長に事業概要と今後の戦略を聞いた。
今期売上げが1.5倍に
―――前期(7月決算)では10億円ほどの売上げだったようですね。
ただ、そこには会社が保有している賃貸マンションの売上げも入っていますので、本業のガス給湯器とリフォームで9億円ほどです。前々年度は6億円ほどでしたので、1.5倍になっています。
―――随分と伸びていますね。
昨年はエリアを広げ関東に進出したので、伸び率が大きくなりました。それまでは毎年120~130%ほどの成長率でした。
売上げ推移
―――売上げ9億円のうち給湯器の割合はどのくらいですか。
9割以上です。キッチンなどのリフォームに関しては、現状リピーターさんのみ対応していまして、新規の方とはお付き合いしていません。というのもそこまで手がまわらないもので。
―――となると給湯器で8億円ほどを売上げているわけですか。間違いなくWEB販売ではトップクラスですね。WEB販売は年々競争が増していると思いますが、強さの理由はどこにあるでしょうか。
ひとつは速さと対応能力にあると思います。他社さんと比べると工事までのスピードが非常に速い。「お湯が出なくなって困る、すぐ変えてもらいたい」というのが給湯器ですから。
―――その速さの秘訣は。
在庫をもっていることが一番だと思います。あとは電話でおおよその金額を現場調査をせずとも出せることでしょうね。見てみないと金額は分からないでは、スピード対応することはできません。
―――最短だとどのくらいのスピード感なのですか。
例えば朝一の9時に電話をいただいたら、9時30分には大体の金額を出せます。あと工事スタッフが事務所にいて、現調時に商品を積んでいけば、かかる時間は3時間ぐらいですね。ただ、通常は工事の前に説明などもありますのでもう少しかかりますが、連絡をもらったその日のうちに終わるパターンが多いです。
―――しかし、スピードだけでは、これだけの成長は難しいと思いますが。
あとは従業員の丁寧な対応でしょう。弊社では先生を呼び、マナー研修なども結構な頻度で行っています。給湯器の業界は工事寄りといいますか、お客様への対応を重要視していないところも多いので、そうした会社とは電話の対応などが全く異なるでしょう。そのへんでお客様に満足していただいておりまして、それが受注率などに表れていると思います。
―――ちなみにその受注率はどのくらいですか。
訪問までしましたら8割は決まります。電話対応だけですと、工事決定率は4、5割ですね。しかも、価格はそんなに安くしていません。最安値クラスにしましたら、もっと決まると思いますが、価格勝負はしていないのです。
―――では電話対応がかなりポイントになりそうですね。
僕が言うのもなんですが、電話を受けるスタッフはかなり優秀ですよ。人数は10~12名ほどで、半分くらいは女性です。
―――その女性が専門知識を有しているのですか。
いえ、女性は最初の受付ですから。細かい対応をするのはそのあとの男性スタッフです。彼らは電話だけで現場状況を全て聞き、できないといけないわけですよ。ですから、工事のことは全部分かっていないといけません。

最新記事
この記事を読んでいる方は、こんな記事を読んでいます。
- 1655号(2025/07/07発行)16面
- 1655号(2025/07/07発行)17面
- 1653号(2025/06/16発行)12面
- 1651号(2025/06/02発行)12面
- 1649号(2025/05/19発行)7面