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日本エコシステム「楽天ソーラー」など販...

日本エコシステム 「楽天ソーラー」など販売チャンネル強化

日本エコシステム
中村雅人社長
1086号 (2013/08/27発行) 16面
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日本エコシステム 中村雅人社長

日本エコシステム 中村雅人社長

現人員体制で前年度比150%増の売り上げ目指す

太陽光発電の販売・施工を行う日本エコシステム(東京都港区)は今期売り上げ計画が前年度比150%増の235億円と大幅増収を狙う。そのため、昨年度から始めた産業用太陽光事業を拡充するほか、WEBでの太陽光販売チャンネルを確立するなど、新たな試みも強化しつつある。6月27日に新社長に就任した中村雅人氏に将来に向けた戦略を聞いた。

住宅向けは6000棟目標

 ―――昨年度はもともとゼロだった産業用の太陽光売上高が50億円弱と、全体売り上げの約3割を担う事業になりました。そうした中、今後も住宅用太陽光を事業主体とするスタンスは続けていくのでしょうか。
 これからも住宅用がメーンです。その証拠に今年の目標は昨年度から800棟アップの6000棟を掲げています。最低でも15%ほど伸ばしていく考えです。

 ―――すると売上計画235億円のうち、住宅向けでどのくらいを予定していますか。
 130億~140億円ほどです。メガワット数で言いますと、住宅用が30メガワット、小規模が10メガワット、大規模が40メガワット、全部で80メガワットになります。今年の日本全体が多分5ギガワットほどですので、容量ベースのシェアで1.6%、それが1つの目標です。

 ―――これまでのシェアは。
 昨年度の市場全体の住宅用太陽光は全体の70%が既築でしたので、設置総数は約22万棟ほどでした。そのうち私どもは5200棟でしたからシェアは2.4%ほどです。この数字は、ここ数年減りも増えもしていません。ずっと2%半ばを保っています。既存住宅のシェアはマーケットが伸びようが、あまり関係しないのです。

 ―――つまり、市場の伸びが販売棟数の伸びに繋がらないと。
 はい。来店型のビジネスではマーケットが倍になったら、販売数が倍に増えるイメージですが、太陽光は店舗をだしても、店にはお客さんが来ないのです。お客さんをこちらから捕まえて、提案し、納得していただく必要がある。ということは現場調査に何件行けるかがすべてです。現在、全国の現調数が1ヵ月で1300~1400回になります。そうすると1300~1400回訪問できる人がいないとだめなのです。

 ―――そうなると人員増強が必要ですが、あまり人材は増やしていませんよね。
 今は単体で300名ほどですが、今期も1割ほどしか伸ばす計画はありません。マーケットが倍になれば、50名、100名と増やすでしょうが、結局現在の30万棟が40万棟になるのか、25万棟になるのか分かりませんよね。その中では簡単に増やせません。

WEBと対面のハイブリッド

 ―――そこで、楽天さんの太陽光販売ビジネス「楽天ソーラー」と連携し、販売と施工を担当するなど、新しいチャネルを開拓されているのですか。
 そうです。「楽天ソーラー」はほかの一括見積もりサイトとは基本的に異なりまして、私どもはWEBと対面営業のハイブリッドと表現しています。それは、現地に行かずにWEB上でほとんど全ての確認をしてしまうためです。価格はパターン化されて決まっていますから、図面を送っていただくなどお客様とやり取りをして、最後に現場で設置可能かの確認さえできれば、もうご契約いただける段階です。イベントや店舗ほど経費はかかりません。

 ―――ただ、楽天さんでの申し込みの場合は、利益は減りますよね。
 しかし、宣伝広告費も当社ではほぼいらないですし、人件費は3分の1ほどになりますので例えば利益が半分でも事業として成り立つわけです。

 ―――この先は、従来中心となっていた常設店やイベントでの販売からシフトしていくわけですか。
 会社として何度も訪問しての販売は、固定費がかかりますから効率が悪いのです。そのため、生産性をアップしなければいけません。ただ、現状はWEBから営業職全員分の引き合いは来ていませんから、常設店・イベントとミックスして、WEB経由を伸ばしていきたいと考えています。

企業との連携を推進

 ―――御社では日産さんの電気自動車リーフからの電力供給システムの販売・施工を始められるなど、いろいろな企業と提携も進んでいますね。
 結局なぜ、お声をかけていただいているかと言いますと、日本ソーラーサービスという、全国規模の施工会社があるからです。皆さん太陽光関連事業を行うときに一番心配されるのが施工なんですね。全国の事業者にバラバラに頼んだのでは、クレームになりますので。

 ―――将来はどのような事業展開を考えているのでしょうか。
 ご存知かもしれませんが、現在楽天さんが弊社の3分の1の株主になっています。なぜ資本参加したかというと電力小売自由化後のネットとエネルギーの融合を目指しているためです。ただ、エネルギーを売るとなっても、結局はネットだけでは完結しないわけで、スマートメーターの取り付けや、分電盤工事が必要になります。すると先ほど申し上げたように、全国規模で電気まわりのリフォームを任せられる会社と連携しないといけません。

 ―――そうしますと目指すのは総合エネルギー設計・施工企業といったイメージでしょうか。
 工事は外せないでしょうね。それと月額いくらといったアフターメンテサービスも考えられます。

 ―――太陽光以外の事業が本格化するのはいつでしょう。
 2、3年先だと思います。


会社概要
所在地 * 東京都港区 / 設立 * 1997年5月 / 資本金 * 3億7283万円
主要株主 * 伊藤忠商事(株式保有比率49.25%)、RSE(楽天の100%子会社、株式保有比率33.40%)
従業員数 * 308名(2013年4月現在)
《経歴》1956年12月16日生。1980年に伊藤忠商事入社後、産機ソリューション部門業務戦略・開発室長などを経験。2009年日本エコシステム取締役、2011年常務取締役兼住宅営業本部長、2013年6月に代表取締役社長に就任。
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