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ヤマダ・エスバイエルホーム ヤマダGでリフォーム1000億円へ

ヤマダ・エスバイエルホーム
松田佳紀社長
1103号 (2014/01/07発行) 7面
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ヤマダ・エスバイエルホーム 松田佳紀社長

ヤマダ・エスバイエルホーム 松田佳紀社長

1960年生まれ、1979年上新電機入社。
2007年ぷれっそホールディングス代表取締役、マツヤデンキ代表取締役、サトームセン代表取締役、星電社代表取締役を経て、2012年ヤマダ電機入社。
2013年エス・バイ・エル(現ヤマダ・エスバイエルホーム)代表取締役就任。

家電店舗に空間展示、モデルハウス設置も

 ヤマダ・エスバイエルホーム(大阪府大阪市)は昨年6月から親会社のヤマダの冠を社名に付加し、新たなスタートを切った。従来は、新築OB客を中心としたリフォーム営業を中心に行ってきたが、今後はヤマダ電機との連携で、本格的な新規客獲得を狙う。松田佳紀社長にリフォーム戦略を取材した。

下期は2ケタ増に

 ―――上期のリフォーム売上高は前年度割れの約35億円と苦戦されていました。オーナーリフォームの比率低下が1つの要因とのことでしたが。
 ヤマダ電機内の新築・リフォームコーナー「トータルスマニティライフコーナー」が約170店舗に増え、そちらに人員を取られていた部分はあります。今まではオーナー様からお話があったら飛んでいけましたから。また、ヤマダ電機での成約率はオーナー様ほど高くはないのでその影響が出ました。そこで7月からオーナーリフォームの担当人員は戻して、そうではない人たちはトータルスマニティライフコーナーに守備させると。上期はシナジー効果を出す予定が逆となりましたが、下期から随分慣れてきまして、契約は前年度比130~140%、売り上げも115%から120%になっています。通期では契約ベースで95億円、売り上げで91億円の計画です。

 ―――そうなると、リフォームの全体人員は170名超だったと思いますが、現在はトータルスマニティライフコーナーに配置している人員はどのくらいいるのですか。
 50名、50店舗です。ほかに、ヤマダ電機の社員と協力業者の方などが入り1店舗あたりの人員は、2、3名ぐらいですね。今は、私どものリフォーム担当部長がヤマダ電機の社員に研修をすることになりまして、彼らが契約まで持っていく仕掛けづくりもしています。ただ、現調、工事はヤマダ電機でやれない部分がありますから、うちでやりましょうと、そういう形で少しずつ変更しているところです。

 ―――1店舗あたりの人員は2、3名で足りていますか。
 現調で外出する瞬間などは少ないかもしれません。ただ、リフォームの単独店ではないですから、ヤマダ電機の例えば冷蔵庫や洗濯機、調理家電などを売っている人にちょっと知識がつけば、3名にプラスアルファとなり、10名ほどで対応できることになります。補完できる体制が整えば数は十分。実際にそれができている店舗はリフォームの売り上げが良くなってきています。

 ―――トータルスマニティライフコーナーの、広さも気になるところです。初めて作られたときは10坪ほどでしたが、埼玉県新座の店舗は約300坪と、随分大型化が進んでいると感じます。
 300坪は最新の店舗です。ただ、広いので中身を少しブラッシュアップしようと、弊社の設計が入ってですね。戸建ての水まわりとリビングの雰囲気が味わえるような、体感できるシーンをこの300坪に落とし込めないかと図面を引いているところです。エディオンさんの広島本店などを少しモデルにしながらですね。

埼玉県新座市にオープンした300坪のトータルスマニティライフコーナー
埼玉県新座市にオープンした300坪のトータルスマニティライフコーナー

 ―――あそこのリフォームコーナーは広いですからね。
 ヤマダ電機グループとしてせっかくの住宅メーカーですので、そのノウハウをもう少し出してレイアウトをしっかりとしていきたいと。今はまだ中途半端だと思いますから2、3カ月後ぐらいにできる300坪タイプ、これをモデルタイプとしていきたいです。

 ―――ヤマダ電機の駐車場にモデルハウスを作る構想もありましたよね。
 今、2月から3月オープンに向け動いています。8店舗の駐車場に展示場を作るのですが、そこの店舗にはトータルスマニティライフコーナーも設置します。リアルの外壁や屋根材が見られるモデルハウスと、キッチン、お風呂などが見えるコーナーが、共存します。

 ―――8店舗はどこの地域になるか決まっていますか。
 岡崎、さいたま、神戸、春日部などです。駐車場の敷地150坪ぐらいに、門扉やカーポートなどエクステリアも少し展示しまして、モデルハウスの外からもリフォームを体感できるものを作っていきたいなと。

 ―――そこにはリフォームの担当者も常駐するのでしょうか。
 はい。新築もリフォームの人員も常駐しますから、1つの営業拠点ができると思ってもらっていいです。

 ―――ちなみに、今後トータルスマニティライフコーナーは増やすのでしょうか。
 当面は200カ所ぐらいでしょうか。数を増やすよりも、30坪、50坪のところを極力300坪タイプにします。それが成功すれば大中小に分け、300坪、150坪、100坪、この3プランの広さでコーナーを展開していきます。

 ―――コーナーが広くなるとやはりメリットが大きいですか。
 電気屋さんが取り扱う商品でリフォームに関連するものとして例えば照明器具があります。そういった照明関連の商品を売りましょうとか、それ以外にも例えば家具など、広さがあるとそういった商品展開が開けてきます。

 ―――家電関連でもまだまだリフォームにかかわるものがありますよね。
 食器洗い乾燥機も一時は電気屋さんで100万台ぐらい売っていた時代があったのです。しかし、今はキッチンにビルトインしていると。IHもかなりの数を電気屋さんで売っていましたが、これもキッチンに組み込まれている。そういう意味では、元々電気屋さんの仕事だった機器の増設や置き換えがなくなり、リフォームの方に仕事が移ってきています。だから、調理家電の売り場がその流れに近くなってくるのかなと。白物家電の一部商品がリフォームコーナーでの売り上げに変わるのではと感じます。

 ―――家電も含めたリフォーム提案はまさに量販店さんの領域と感じます。
 住まいから考えた家電は、家の1つのパーツです。それで、そのパーツを売るのと同じく、キッチンもお風呂もトイレも売りたいのです。エアコンができていますから、多分できると思うのです。

 ―――ただ、リフォームは提案に人材が必須ですから、そこは増やす必要がありますよね。
 今の170名強を250名くらいにはしないといけない。ところが、募集しても来ない、補充しても引き抜きがありますから、そこは厳しいです。ただ、新築のメンテナンスをしていた人が一部、リフォームに回ることはあります。メンテナンスの延長線上がリフォームのようなところはありますから。

仕入れ強化でコストダウン 

 ―――新規を積極展開することでリフォーム単価が下がる等の影響はありますか。やはり、ヤマダと冠がついているのでお客さんが安さを求めることもあるかと思いますが。
 確かにお客さんがヤマダに期待されるのは価格ですね。ただ、圧倒的に安いかというとまだまだボリュームが小さいですから、価格のメリットを出すレベルまでいっていません。今後も工賃はたぶん一定で、それほど下がることはないでしょうからキッチンやお風呂の仕入れ量を増やし、増やしたことによる仕入れ力を高めると。これから徐々に価格メリットがついてくればヤマダにしようという人が増えてくると思います。

 ―――でも、家電でのノウハウがありますから、仕入れ力は強いのではないですか。
 いやいや、まだまだです。ただ、うちは幸いなことに直取引が結構ありまして。LIXILさん、TDYさんなどに直取引の口座があります。あとハウステックはグループですし、パナソニックさんはヤマダ電機でパイプがありますから。このような関係で以前より安く買える体制は整いました。

 ―――ところで現状は売り上げに対するOBと新規の比率はどのくらいでしょうか。
 新築OBが75%、新規が25%ほどです。確かに新規の部分の割合を高めてはいきますが、他のハウスメーカーさんが建てた住宅のリフォームは多分取れないだろうと。地域の工務店で30年前に建てましたが、今その工務店は営業していませんというケースが結構あるでしょうから、その受け皿になろうと。
 一方で、約13万5000件のOB客のリフォームにも力を入れます。売り上げ目標としてはこの3年では150億円ほどですね。グループで言いますと、ヤマダ電機、ハウステック、ヤマダ・エスバイエルホームの3社で5年以内に1000億円にしたいと考えています。


会社概要
本社 * 大阪府大阪市 / 設立 * 昭和26年6月 
資本金 * 90億6600万円 / 従業員数 * 単体1329名、連結1509名(平成25年11月30日現在)
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