SFA クロード・ペルドリエル 会長
水まわり設備と排水管の間に設置して排水をスムーズにする「排水圧送ポンプ」。ヨーロッパを中心に世界で85%以上のシェアを持つ、業界最大手SFAの創業者、クロード・ペルドリエル会長がこのほど来日し、本紙インタビューに答えた。
排水圧送ポンプを利用すれば場所を問わず簡単にトイレを新設できる
―――日本では60年前と言えば、まだ汲み取り式トイレがほとんどでした。
フランスでも同じようなトイレ事情でしたね。約半数の家庭のトイレは屋外にあり、多くの人がトイレに行くのに不便な思いをしていました。そこで、持ち運びに便利な携帯用小型トイレを開発したのが、私の事業の始まりです。
―――今ではフランスを拠点に、世界22カ国に直轄子会社を設立して国際的に展開しておられます。
フランスから隣国ベルギーに進出したのが最初で、英国、北米、アジアに拡大しました。60年で累計800万台を出荷し、最近は毎年約50万台を販売しています。
―――現在の商品の種類は。
大きく分けて2種類あり、1つは粉砕機能が付いたトイレ用の「サニアクセス」と「サニプロ」です。もう1つがキッチンや浴室、洗面用の「サニシャワー」と「サニスピード」で、こちらは圧送する機能のみです。一般住宅と商業施設の両方で使われていますが、世界シェアの8割が住宅で使われています。今後、日本でも一般住宅用商品のシェアを伸ばしていきたいと考えています。
―――海外の販売代理店の話では、故障やクレームが非常に少ないそうですね。例えばイタリアでは、過去に50万台出荷して、クレームは0.6%程度だとか。
フランスでも400万台の販売実績がありますが、やはりクレームは少ないですね。その理由は、当社が品質に関する研究開発を最重要課題として取り組んでいるからだと思います。世界各国から上がってきたクレームをすべて集約し、解決する体制を整えています。
―――フランス国内のみで設計・生産し、外国で現地生産しない理由は。
フランスに工場を限定しているのは、徹底した品質管理を行うためです。内製化にもこだわり、すべての部品製造や加工を社内で行っています。
―――ペルドリエル会長は、日本を最大の市場と見ているそうですね。
高齢化が加速している日本で、SFAポンプを高齢者に便利な「2つ目のトイレ」の設置に役立ててほしいと思います。高齢者にとって、トイレに行くのに廊下を歩いたり階段を昇り降りしたりするのは大変です。このポンプを使えば、ベッドサイドに簡単に水洗トイレを設置でき、ポータブルトイレのような臭いや汚物処理の問題はありません。
―――テレビCMなどの告知も強化しています。
特にシニア層にこの製品のコンセプトを理解していただき、リフォームに活用してもらいたいですね。日本の市場ではフランスや英国よりも潜在需要が大きいと見ています。今から10年計画で販売台数を伸ばしていく方針です。

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