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ミサワホームイング2ケタ増収で233億円に

ミサワホームイング 2ケタ増収で233億円に

ミサワホームイング
渡邉一広社長
1121号 (2014/05/20発行) 6面
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ミサワホームイング 渡邉一広社長

ミサワホームイング 渡邉一広社長

ミサワホームグループで主に首都圏のリフォーム事業を担うのが、ミサワホームイング。2014年3月期の業績も前年度比2ケタ増と好調だ。渡邉一広社長は社員の増員、生産性の向上、新規ビジネスの強化の3つを軸に、売上高400億円を突破したいと意気込む。

毎年2割増収目指す

 ―――2014年3月期決算が好調だったようですね。
 233億円の売り上げ見込みです。これは前年度比でいうと12%増。やっと2ケタの伸びになりました。2010年度は205億円で、その次が207億、210億ときて今回233億と。利益の方は2011年度で黒字に転換し、去年の経常が1%。今回が2%。ようやく普通の会社になってきました。

 ―――今後の売上高計画は。
 2016年度までに売上高400億円が目標です。そのためには毎年2割増で行かないと400億円にならない。方針としては人を増やすということが第一。それから一人あたりの生産性を上げていく。

 ―――今、社員はどれくらいいますか。
 680人いまして、そのうち営業マンが380人。来年は営業で450人、再来年は500人体制でスタートしたい。そのためには年に新卒・中途で計100人くらい入れていかなければならない。それでも実質50人くらいしか残らないので。実はこの4月も400人体制にしたかったのですが、足らなかった。高齢化が進んで定年が増えたり、あとは女性比率も4割にあがり、子育てや親のことなどもあって辞めたり、結構出て行っちゃって。

 ―――営業マンの生産性を高めていくとのことですが、平均受注単価はどれくらいですか。
 前期の上期の月間平均受注単価は168万円。下期は130万円でした。生産性を高めるために、一人あたりもう1件多く受注を増やそうとしています。下期の営業マン一人あたりの月間請負額は566万円で、件数は約4件でした。これを5件にすれば単純に平均単価130万円分が増えるわけです。

小工事対応を効率化

 ―――従来よりも単価が上がってきているようですね。
 小工事の仕組みを変えたことで上がってきたんです。うちは「クイックメンテ30」というサービスがあり、小工事が多い。その10万円以下の工事は研修し、認定した業者に対応をすべて外注しています。この業者は百数十社もいます。つまり10万円以下は私たちが請け負わず、直接業者に請け負ってもらって、紹介料を10%もらうというようにしています。そして10~30万円の工事は小工事専門の30人の営業担当がやる。だいぶ活躍してくれています。

 ―――小工事を外注化と専任化によって効率化すれば、より高い工事へ営業機会を増やせそうですね。
 2011年度は半期で1万5000件のリフォーム工事がありましたが、仕組みを変えた今は8000件くらいに落ちた。要は小さな工事をいっぱいやっていたということなんですよ。これはオーナーさんの工事だから必ずやらなければならないものなのだけれども、売り上げにはならない。全体の2%くらいです。

3分の1が屋根外壁

 ―――生産性向上のために、工事件数を伸ばすとのことでしたが、これはどのように増やしていく考えですか。
 うちには「ホームイングアドバイザー」という地域を回る180人のスタッフがいます。この方たちが持ってくる引き合い情報の質を変えていこうと思っています。例えば今、平均単価が130万円ですから、そういう規模のものに的を絞った引き合いをたくさん持っていこうと。情報の見方を変えていこうと思っています。それともう一つは、うちの工事で一番多い屋根外壁塗装の強化です。これは各支店で同じような営業をやっているにもかかわらず、受注が倍以上違うところがあります。成功している事例が身近にあるものの、真似しきれていない。これを深掘りしていきなさいと言っています。

 ―――屋根外壁だと全工事のどれくらいを占めますか。
 3分の1くらいですね。その次が水回りになります。

 ―――同じハウスメーカー系では住友林業などが大型リフォームに力を入れていますが、ミサワさんではどうですか。
 うちは500万円以上の工事が件数ベースで言うと5%くらい。売り上げだと20〜25億円。1000万円以上の工事は少ないです。ここは消費増税の影響でマインドが戻ってくるのが半年くらいかかりそうですね。ただ、大型も取れる体制は作っています。「ホームイングプランナー」という女性プランナー40人と提携し、500万円以上の工事にはかかわるようにしています。1000万円以上は120社の設計事務所と提携して対応しています。スピード感とプレゼン力を上げようと。これらは成功報酬型で10%くらい支払っています。

マンション強化へ

 ―――最近ではマンションリフォームのショールームを作りましたね。
 パック商品「マルム」というものがあるのですが、ショールームを作ったおかげで活性化してきました。これは常時オープンの展示場。お風呂もキッチンも3種類ずつあるし、建具もそろっているので実物がお見せできる。これまでは借り上げてやっていたけれども、お住まいになっているからイベントができないし、団体でも来れなかった。

 ―――マンションリフォームの売り上げはどれくらいですか。
 前期で5億円くらいですね。今年は10億円くらいにしたい。三鷹に作ったのですが、中央線に広告を出したりして積極的に集客していこうと思います。都内はマンションが多いのでやっていかないと。

 ―――買取再販も始めたそうですね。
 東急リバブルと組んでやっています。これまで6室買いました。これをリフォームして、売ろうと。売り上げは年間5億円くらいでしょうね。その他新規事業といえば、事業用PVもやっています。うちが土地を借りて、2メガの発電所を作って売電しています。2つとも埼玉でやっています。コストは2つで6億円くらい。

 ―――20年間は確実に売電収入が入ると。
 年間8000万円くらいの利益出るので大きいですよ。

 ―――その他にも新たに始めたことはありますか。
 「相続セミナー」というイベントを5支店で月5回くらいやっています。これに結構な数の人が集まるんですよ。また「終活」というテーマでも集まります。新築になったり、リフォームになったりさまざまですが、来る人は悩んでいる人が多いので大きな話になりやすい。

リノベでサ高住

 ―――高齢化社会になってきているので、そのような悩みを持つ人が多いのかもしれません。
 リノベーションでサ高住をやろうかなとも思っているんですよ。ワンルームマンションを高齢者用のサ高住にしてしまう事業。今は高齢化社会だから、年金で入れる介護付きのマンションが、今後もっと出てくると思います。さらにこれからは空き家をリノベーションして高齢者用の住まいにしていこうという話もある。サ高住をやっておけば、そういうところにも入っていきやすいと思います。

 ―――そのほかにもミサワさんらしさのあるリフォーム事業ってありますか。
 法人営業もうちの特徴です。これは法人さんの社員のリフォーム。取引のある資材メーカーさんなど、今は100何社あります。ここだけで20億円くらいの売り上げがあります。あとは旅館のリフォーム。露天風呂を作るなど結構難しい工事が多いですが、単価が大きい。これだけで2〜3億円くらいになります。

 ―――既存のリフォーム市場にとらわれず、幅広い事業を展開して計画達成を目指すわけですね。
 人を増やし、生産性を上げて、新しいビジネスにもチャレンジしていきたいです。

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