旭化成リフォーム 森田敏晴社長
"暮らし方"提案で改築、改装拡大
旭化成リフォームの2014年3月期リフォーム売上高は初の500億円突破となる526億円だった。営業利益は、前年度比6.7%増の65億円となり、いずれも過去最高を記録した。今期上期は、消費増税に伴う駆け込み需要の反動など、厳しい材料があるが、通期で10%増収の580億円を狙う。森田敏晴社長に売上高拡大に向けた戦略を取材した。
13.6%の増収
―――前期売り上げは、前年度比13.6%増と2ケタの成長を遂げました。やはり消費増税前の積極提案が寄与したのでしょうか。
お客様の方からと、両方ですね。契約を2013年9月までにしておくというお客様から結構受注を頂けました。受注という意味では約35%増と相当伸びた。ところが下期は反動で対前年2%のダウンです。
―――施工が間に合わないですよね。
塗装の受注などは12年度173億円が13年度224億円になりました。ところが完工はそこまでいかず、30億円しか増えなかった。結局、昨年の12月ぐらいまでの受注でしたら3月ぐらいまで完工できましたが、1月になってくるともう年度内の枠がないのです。そのため1月以降が対前年比で落ちましたね。
―――この4、5月はどうですか。
昨年35%伸ばしている分、落ち込んでますね。少しはユニットバスとかの設備関係、500万円以上の改装は回復してきていますが、塗装防水が全然だめ。先食いをしていますから。
―――すると今期は、塗装などのメンテナンスリフォームではなく、増改築や設備交換で増収を狙うという戦略ですかね。
そうです。増築は基本的になく、改築、改装です。それについては、住まい方の商品として「居間景色」というものを出しました。居間から見る景色を提案して、サッシなどを全開放などに変えてみませんかと。風通しを良くし、景色が見える。それとインテリアを変えたりして。富士にそうしたコンセプトの実験棟がありまして、営業マン全員を4組ぐらいに分けて行かせています。
―――こうした企画商品は定期的に出されていますね。
吹き抜けの商品をつくったりとかね。家族が少なくなりますから、快適な住まいづくりということで吹き抜けをしませんかというもの。あとは、コンパクト2世帯。40坪、50坪の一戸建てで便利なところに建てた方に、設備とかを工夫して2世帯にしませんかと。風呂は共通にして洗面所には入り口を2つ付けるなど工夫しています。こうした、商品を数多く売っていこうということではなく、改築、改装を増やすきっかけなわけです。
―――つまり、暮らし方の提案というわけですね。
そう、改築、改装の要望は各戸で違いますから。受注ベースでいうと改築、改装は12年度137億円でしたが、13年度153億円になりました。

最新記事
この記事を読んでいる方は、こんな記事を読んでいます。
- 1653号(2025/06/16発行)12面
- 1651号(2025/06/02発行)12面
- 1649号(2025/05/19発行)7面
- 1647号(2025/05/05発行)15面
- 1643号(2025/04/07発行)16面