パナホームリフォーム 中田充彦 社長
2014年3月期の連結リフォーム売り上げで前年度比13%増の432億円と過去最高を記録したパナホーム。今期は、消費増税の駆け込み需要の反動減があるものの、8%増の465億円と、さらなる増収を見込む。パナホームグループでリフォーム専門会社となるパナホームリフォームの中田充彦社長に今後の事業戦略を聞いた。
インテリックスと連携
――昨年10月から営業開始したパナホームリフォームですが、マンション再販大手のインテリックスと組み再販事業を開始するなど、すでに新事業が進んでいますね。
インテリックスさんが大体3000万円までの価格帯を中心に手掛けられています。そこでパナホームリフォームでは、首都圏の東京で言うと5000万円ほどの再販価格の物件を扱う。そういう意味では棲み分けができると思っています。私どもが物件情報や再販ノウハウを持っているわけではありませんから、一緒にやりましょうという話です。
――既に動いている物件はありますか。
北区と大田区とで、2物件あります。今期の同事業売り上げ計画が20億円ですから、5000万円で割ると月4棟やらなくてはいけません。
――マンション管理会社の合人社計画研究所と、合弁会社で管理会社を作ったのも、リフォーム獲得の新施策ですね。
実はパナホームのマンション事業売り上げが13年度実績で157億円あります。管理は他社にお任せしていたのですが、もったいないので内部でやろうと進めていました。ところが、とてもノウハウが必要で、合人社さんと合弁会社を作ったのです。それと合人社さんは日本ハウズイングさんと、業務提携していまして2社で55万戸以上の管理があり、国内トップの数です。そこにアプローチをさせていただく。
――では今期マンション管理事業でのリフォーム売り上げをどの程度みていますか。
4億円です。
リフォーム向け資料を充実
OB客以外のビジネス注力
――今期は、御社でいう新規客向け事業の「リノベーション」を拡大していくということでしょうか。
そうです。前期売り上げ実績でいうとOB施主様向けの「リライフ」とリノベ―ションの割合が68対32です。今期は55対45。OB施主様を相手にする商売ですと、その件数で売上高の上限が決まる。私どもは新築では業界8位、9位というポジションですから、当然ながらストック数もそのくらいの位置です。そうするとOBのお客様以外のところで、どれだけ特徴的な提案で、確固としたポジショニングが取れるかが重要です。
――ほかに新規獲得に向けの戦略は。
新築のハウスメーカーが母体の会社ですから、新築が持っている色々なインフラを積極活用しようと、例えば総合展示場です。ここはリフォームを集客する場としては、ほとんど積極的なコマーシャルはしていません。
――総合展示場の拠点はどのくらいあるのですか。
240カ所です。見積書を出すとかの営業行為はできませんが、情報入手先としては考えられます。実際、大阪の千里住宅公園には、三井のリフォームさんと住友不動産の新築そっくりさんが単独でリフォームの専用ブースを出しています。
350人のカスタマー
――リノベーションを強化される一方で、現状リフォーム売り上げの過半数はOBの「リライフ」が占めます。そちらの施策は。
アフターサービスの強化です。リライフの単価は100万円なのですが、目安としては、40~50万円位まではリライフの営業が担当し、給湯器の交換など20~30万円は、メンテナンスを担当している約350人の「カスタマー」が対応する形にしました。
――それまでは、区分けが明確ではなかったのですか。
はい。ストック事業本部という枠に両者をいれることによって棲み分け、補完をしながら対応する方式にしました。
――リライフでは、営業マン1人で何件ほどのOB客を対応しているのですか。
相当ばらつきがありまして、少ないところで400件、多いところで800件です。エリアによっては距離の問題もありますので、そこを含めた人員配置が必要。ただ、これも新会社が発足してやっと、そうした考えも含めて定着したばかりです。今までは黙っていてもOBのお客さまの情報が入ってくる時代でしたので、営業に探客という役割がなくてもそれなりの数字になっていました。しかし、これからは色々な転換をしなくては全く商売が成り立たなくなってくるのが目に見えています。そういう意味でフェイストゥフェイスでお客さまとしっかりしたリレーションを築いていきます。
≪パナホームのリフォーム概要≫
■前期売り上げ 432億円
■リフォーム工事単価(リノベーション約230万円、リライフ約100万円)
■年間工事件数(リノベーション約4000件、リライフ約1万7000件)
■パナホームリフォームの人員 約570人
(営業340人[リノベーション90人、リライフ250人]・技術系130人)
■拠点数(7支店、30営業拠点、70営業所)
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