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新築から中古リノベへ「h+」始動ハウスプラザ

新築から中古リノベへ「h+」始動 ハウスプラザ

ハウスプラザ
白川正人取締役・事業推進本部長
1146号 (2014/11/25発行) 4面
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ハウスプラザ 白川正人取締役・事業推進本部長

ハウスプラザ 白川正人取締役・事業推進本部長

仲介に付加価値創出し粗利1億円目指す

 城東エリアを中心に8拠点を展開する不動産仲介会社、ハウスプラザ(東京都足立区、売上高25億3000万円)が本格的に「中古+リフォーム」事業を開始した。「h+(エイチプラス)」の名称で初年度100件の契約、その他の中古領域事業も合わせ粗利1億円を目指す。白川正人取締役・事業推進本部長に事業開始の経緯や、具体的な戦略を聞いた。

グッドデザイン賞を受賞したモデルルーム
グッドデザイン賞を受賞したモデルルーム

全店で中古需要増える

――このたび、「中古仲介+リフォーム」というビジネスを立ち上げたのはどのような理由ですか。

 新築の市場の先細りが見えている中で、中古の物件が増えているのを肌で感じていました。私も元々は錦糸町店の店長職に従事していまして、中古の増加は場所柄かなとも思っていましたが、実はそんなことはない。東京の東側で展開する全店で同じような動きが出ていたのです。そんな中、3、4年前からは、買取再販事業も立ち上げたのですが、好調で1件も赤字が出ていません。

――再販物件の販売価格はどのくらいですか。

 ほとんどがマンションで2500万円から3000万円。粗利は1件で400万円ほどです。販売数は年間10件程度ですね。

―― 元々は新築の仲介が全体の9割を占めていましたから時代の流れに合わせて、中古のビジネス展開を拡大したわけですね。

 具体的な中古事業は3つあります。すでに始めていた買取再販、中古マンション販売、先物の中古住宅の販売プラスリフォームの3つです。

――先物の中古とはどんな物件ですか。

 他社が専任媒介に入っている物件のことです。うちはそれほど大きい会社ではありませんので買い取れる物件の件数は限られます。専任で任せてもらえるものも、TVCMをやっているような大手と比べると数は取れません。あとは、市場に出ている他社が媒介契約を結んでいる物件の客付けを行うことです。ただ、それでは、仲介の手数料収入が全体の半分、つまり片手になってしまうので、生産性が合いにくい。付加価値を付けないと私どもで買ってもらう意味がありません。その付加価値付け、さらに1件当たりの粗利を増やすためのリノベーションです。

――では、他社が媒介契約をしている物件はほとんど取り扱っていなかったのですね。

 新築戸建ての仲介を中心とした組織の中で、ほとんど取り扱っていない状態でした。そこで、前期にリノベーションをパッケージ化したスキームをつくっていったのです。

7つのプランを構築

――それで作られたブランドが「h+」なのですね。どんな特徴でしょう。

 基本、お客様と話をしながらリフォームの中身を作り上げていくのですが、いくつかパターンを作っています。ペットと一緒に暮らせるように猫の通り道が作られたプラン。奥さんの家事動線が楽な家事楽プランなどです。

――何パターンありますか。

 現在は7パターンです。シングルのインドア派向けのシアタールームプランなどもありますし、シルバーカップルのプランも作りました。これは、フラットフロアで、廊下を広くしています。また、畳の部屋を設け、水まわりをあえて日当たりのよい窓側にもってくる。老夫婦があまり行動できなくなったとしても、家の中で気持ちよくお茶が飲める――そんなプランです。そして、今回グットデザイン賞を取ったのがモデルルームにも採用しているフレシキブルファニチャープラン。家族の成長に合わせて間取りを変更できるプランです。リノベ費用は300万円から1000万円を想定しています。

模型を作り施工後のイメージ伝達
模型を作り施工後のイメージ伝達

月2回のセミナー開催

――集客はどうしているのですか。

 1つが8月から月2回のペースで始めたセミナーです。Facebook、ホームページ、Twitterなどで告知して集客しています。

――WEBで集客をしているのですね。例えばFacebookの「いいね」数はどのくらいあるのですか。

 会社で1万3000件ほどあります。ただ、それだけではなく、Facebook内で広告も打ち不特定多数へのPRもしています。それで初回は10組ほど集客できました。

――セミナーはどんな内容でしょう。

 3部構成で1部はお金の話。金利とか住宅ローンの選び方、返済していくときの工夫です。2部はリノベーションで具体的にどういったことができるのか、資産価値の観点で考えた時に、転売しやすい物件の選び方など。3部ではモデルルームの見学会をしました。

――中古物件の広告も出しているのですか。

 はい。ただ、そこに事業として課題がありまして、物件広告で集客するとそのままの状態で買いたいという人が多いのです。リフォーム、リノベーションへの関心が高くない。そうしたお客さんもある程度リノベーションにマインドリセットできるのでは、と考えていたのですが、思っていたよりも難しい状況です。

――実際に10人のお客さんが来てリノベーションに関心を持つ人は。

 1割ぐらいですね。

―― しかし、中古の仲介は増えているのですよね。

 増えています。今は月に6~8件です。マネージャー1人、営業4人で中古営業部を立ち上げたのですが、新築仲介部門と変わらない生産性があります。ただ、思ったよりリノベーションがでない。やっぱり1500万円のマンションに問い合わせされる方は1500万円以内で探される方が大半ですね。

――あとは、リノベーションの価値をどのように伝えていくかではないですか。

 先日モデルルームがグットデザイン賞を受賞したので、見たいと言って来るお客様は増えました。先日は1年ぐらい新築マンションを探しているが、よい物件がないというお客様が来ました。モデルルームを見た瞬間、自分たちが求めていたのはこれだ、というふうになり、台東区で物件待ちをしていただいています。

――やはりリノベーション後の具体的なイメージを見せることが重要ですよね。今後はどんな戦略を考えていますか。

 リノベーションのブランド力を上げ、その契約比率を上げていくことですね。


会社概要
 設立 * 1989年3月 / 資本金 * 3000万円 / 従業員数 * 123人(2014年5月末現在) / 拠点 * 8ヵ所
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