リノべる 山下智弘社長
中古マンションのリノベーションで急成長するリノべる(東京都渋谷区)。2010年に設立した新しい会社だが、今年3月期の決算では年商30億円弱を見込む。山下智弘社長は「将来的には1000億円の会社にしたい」と意気込む。

サイトを通じて集客している
社員数を倍増
――今、最も注力していることは何でしょうか。
社員数を増やしていくことです。前期は44人だったのですが、現状では77人。初の新卒採用をしましたので、今年4月には11人が入る予定です。これだけの数を入れることに対して幹部から反対もされたのですが、やはり優秀な人が多くて採用しました。来期は88人でスタートを切る考えです。
――どの部分の人材が不足しているのでしょうか。
特に「ソリューション事業部」というお客さんの窓口になる人材と、設計工事を担う「リノベーション事業部」を強化しています。今、リノベーションの問い合わせ数が前年に比べて倍増していますので、対応できる人を増やし契約数を伸ばしたい。
――受注数も着実に増えているわけですね。
最近では月35件くらいあります。今期の売り上げはだいたい30億円弱くらいの着地点になると思います。去年は年間で113件の受注でしたので、かなり伸びています。というのも、最近新築を考えていた人たちが、こっちの中古マンションに来ている感じがしています。
「37歳」「ファミリー」中心
――リノべるは全国の主要都市でリノベーション事業を展開しています。リノベーションの認知度についてどう考えますか。
首都圏では知っている人が増えてきましたが、地方はまだまったく知られていない。実際に受注の6割は首都圏が占めています。私どもはウェブで集客しているんですが、まだ地方は弱い。リノベーションの魅力という情報が正しく行き届いていないという感じがしていて、私たちも新しい家の買い方というのを広めていっているという感覚です。ここを強化していきたい。そのためにはウェブだけではなく、例えば交通広告のようなリアルなマーケティングも必要かもしれない。
――どんなユーザーから依頼が多いですか。
お子さんが1~2人いるファミリーで、平均年齢は37歳ですね。だいたいリノベーションの費用は850万円です。
――ユーザーにリノベーションの魅力をいかに伝えられるかが、このビジネスのカギです。
例えば、お客さんの予算が5000万円あった場合、まるまる5000万円使って新築を買うのか、それとも中古マンションとリノべで3500万円にするのか、という話をしています。要は「どんなふうにお金を使うのか」ということ。だいたいリノべにすると3分の1くらい資金に余裕ができるんです。この残り3分の1の資金を使って、人生を楽しみましょうという提案をしています。
将来は1000億円
――中古マンションの仲介に関しては、地域の不動産会社と連携して進めている点が特徴ですね。
今は230ほどの不動産パートナーと提携しています。特に大手不動産会社との提携も増えてきましたので、物件情報が充実してきています。ワンストップを手掛ける会社の中には自社で不動産業を手掛ける会社もありますが、私ども自体は宅建業をやらないようにしています。たくさんの会社とどうやって組むかということを考えています。やはりプロは情報量と鮮度が全く違います。
――拠点展開は直営とエリアパートナーというFCにて進めています。
地場ゼネコンさんの加盟が増えてきています。公共工事などがなかなか増えていかない中、リノベーションに注目していただいています。
――将来のビジョンは。
1000億円の会社をつくりたい。1000億円という数字は住宅産業の中で影響力があります。そのためにはまず年間1000件のリノベーションを手掛けてリノべ業界で頭角を現したい。今はマンションだけですが、来期は戸建ての商品をリリースしたいと思っています。
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