FP相談センター 難波浩司社長
各社に合わせたオリジナルコンテンツ作成
保険を切り口に、さまざまな顧客囲い込み商品を提供するFP相談センター(大阪府大阪市)。リフォーム会社や工務店は緊急駆け付けサービスや設備の延長保証、税金相談などコンテンツを自由に選び、オリジナルのサービス構築が可能となる。開始約2カ月で、既に45社と契約する同社の商品概要を難波浩司社長に聞いた。
誰でもコールセンターが持てる
――保険を切り口にしたリフォーム会社、工務店サービスとはどんな内容なのですか。
完全OEM化で、様々なコンテンツをオリジナル商材としてご提供するものです。達成すべきポイントはお客様の囲い込み。特に目玉の商品がコールセンターなのですが、どんな小規模の会社にもコールセンターを提供できます。0120番のフリーダイヤルで、よく大手が導入している目的に応じた番号ダイヤルをユーザーがプッシュし、サービスを受けるシステムです。
オーダーで同じサービスを受けようとしたら年間大体360万円ぐらいかかるものを年間2万4000円で提供しています。お客様にアフターフォローのしっかりした会社で、あたかもその企業の社員がメンテナンスに来ていただいたような安心感を与えられるのです。
――サービスはいつ頃から開始されたのですか。
今年の1月半ばぐらいにスタートして、現在、45社ほどに利用いただいています。どんどん増えています。しかしリフォーム会社の利用はまだありませんので、ぜひリフォーム業界にこのサービスを導入していきたい。
――緊急トラブルが発生した際はどんな流れになりますか。
電話での一次対応は全て無償。駆け付けなどの二次対応が必要になった場合はリフォーム会社にその情報を全て返します。そして、本業のリフォームにつなげていただくようなアシストをする。電球交換や重いものの移動などの手伝いサービスは年に2回サービスで付いています。それを新築のビルダー向けでは1件あたり月200円ぐらいで提供しています。
――200円は安いですね。なぜ、それだけ安くできているのですか。
大体年間2万件の大口契約をしているためです。2年目で4万件のボリュームなので、単価を安くできました。既存住宅の場合、200円の設定はできないですが、1件1カ月300円ぐらいで提供できると思います。
―― なぜこうしたサービスを立ち上げられたのですか。
今年の10月で、35年の火災保険が売り止めになってしまうのです。その後は最長でも10年になってしまいます。当グループの本体であるFP相談センターは年間7000件近くの住宅火災を扱っている代理店。売り上げに占める火災保険のシェアは9割以上という現状があり、一気に売り上げが7割ダウンしてしまう。それで、もう本当に会社を清算しようかという次元だったのですが、そこで新しい商品、保険ではない物を作ろうと考えました。
リスク考えた商品作り
――緊急駆け付け以外にはどんなサービスがあるのですか。
住宅瑕疵保証から始まるフラット35とか、地盤保証、エコポイントの申請、すまい給付金の申請、そういったものの代理店を行っています。それに合わせて本業の保険業も提供できます。例えば延長保証サービス。新築でお住まいのお客様限定の商品でしてパッケージになっています。特徴は保証会社をしっかり立ている点、保険で100%リスク転嫁している商品を作りました。保証会社は、中身が心配なものが多い。そもそもこの保証というのは、保証書発行の主体はビルダーなので、ビルダーのクレジットで保証書を発行しています。保証会社の資金繰りが悪くなり潰れてしまうと、全ての責任をビルダーやリフォーム会社が負わなきゃいけないリスクがあるのです。将来のリスクが大きい保証を安かろうで選ばれるっていうのはどうなんですか、と説明すると、ご理解いただけますね。
――工務店さんは自社にそうした責任があると思っていないところが多いのでしょうか。
多いです。保証商品は、既築向けでも今後開発する予定です。強みとして保険代理店の立場として損害保険会社とのパイプが非常に強い。今回の商品も三井住友海上の商品部と私どもで作り込んだオリジナル。しかもほぼ利益を乗せていませんので安いのです。駆け付けサービスもそうなのですが、副商材として考えていましてこちらを主体として商売を成り立たせようとは思っていない。そこから本来私どもの本業たる保険の展開を図っていきたいのです。
――あとはどんなサービスがありますか。
暮らしのサポートですね、面白いのがこの、お客様が禁煙をされたら医療費を私どもが持ちますよといったもの。あと、健康診断する機会の少ない奥様に乳がん検診のキットを無償でプレゼントするものもあります。
――リフォームでも使えるんですか。
プログラムに組み込めます。あと遺伝子検査キットの割引。税理士への税金の無料相談。年金や住宅ローンの相談、情報提供もあります。
――お客さんの囲い込みのために会社ごとにこういったツールを組み合わせて提供するわけですね。
そういうことです。私どもはBtoBしかやりませんので、生活者の方の評価は分からないですが、ビルダーや太陽光業者の方はぜひやりたいといってくださる方が多い。顧客に渡すサービスを記載した冊子のデザイン案も社内にデザイナーがいますので行います。
独自アプリ制作
――ライフプランの相談なども行うそうですね。
はい。それと、私どもはアプリケーションを作るのが得意でして、住宅の営業マンでも使えるソフトを制作中です。従来は、住宅の営業マンは生命保険会社と提携して専門分野は丸投げですよね。それはいかがなものなのかと。本来は知り合った住宅営業マンから話ができればいいはずです。そこでFP的な話ができるように使えるソフトを作っていまして、例えば賃貸住宅に住み続けた場合と家を買った場合の総合的な30年40年のバランスシート。ゼロエネ住宅にした場合とゼロエネじゃない場合の効果の差。あらゆる比較が瞬時にできます。
――その中に本業である火災保険の話なども入っているのですか。
全部あります。近年、太陽光事業者と連携している理由はそこにあるのですが、結局新築で家を買われた場合、ほぼ火災保険に入られる。ただ、太陽光業者様が販売するのは築5年後などでして、その場合この火災保険では適用されないのです。ただ、見直しをすると、屋根、太陽光も含めて補償対象になります。しかも、現在加入されている保険の返金の範囲内で火災保険の加入ができます。
皆様、長期で入られて途中で解約するとほぼ丸々返ってくることを知りません。そして大体不動産屋さんでは、商品の比較や、説明もないまま入られるケースが多い。実は基本保証は同じでも、保険料が安い所もあれば高い所もある。1位から10位の差で15万円とか違います。最初に200万ぐらい払われた方が60万円ぐらい見直しできたケースもありました。
――しかし、サービスを原価で提供すると御社のメリットがないと思いますが、どの辺りを狙って、リフォーム会社へのサービス訴求を考えているのですか。
生命保険です。生命保険も本当にその家庭に合った保険に入っているところは多くありません。特に高齢者になればなるほど、もう入ったものをそのまま継続されて、何の見直しもすることなく高いものを払われているお客さんが多いのです。特にその部分の見直しができれば家計の節約につながっていきます。私どもはリフォーム会社様とお付き合いの中で、各社のお客様へ保険見直しのお手伝いができれば、ありがたいと考えています。
――たぶんニーズに合っていると思いますね。リフォームは結局、富裕層が行うケースが多い。保険額も比例して高いと思いますから、見直し効果はあるはずです。
ここら辺のサポート業務を協業でやらせていただければ、非常に相乗効果がでてくるかなと思います。
私どもは他の保険代理店と同じような戦略では考えていないのです。ちょっと独自性があるなという所をアピールしたい。さきほど説明したアプリもリフォーム会社の営業の方でも簡単に使えてしまう。簡単に保険依頼などもできるのです。年齢をピッと設定して、男女か設定して、たばこを吸うとか、あとがん保険とか死亡保険とか医療保険、これだけ選んでもらう。すると瞬時に500万データの中からその方の、今日本で売られているがん保険や死亡保険が一番安い順で出ます。月1万5000円払われている方が大体8000円ぐらいの半額になるわけです。減った7000円の価値をローンに当てはめると280万円ぐらいの価値があり、280万円のリフォームする人であればただでリフォームできるというような話につなげていけるのではと考えています。

所在地 * 大阪府大阪市 / 設立 * 2007年8月 / 従業員数 * 66人 / 資本金 * 1000万円
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