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リビタ、「不動産そのものの仕組みを変える」

リビタ、「不動産そのものの仕組みを変える」

リビタ
内山博文 常務
1163号 (2015/04/07発行) 14~15面
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リビタ 内山博文常務

先進的なリフォーム事業社
ビジネスモデルを発表

経済産業省が独自のビジネスモデルを持つ企業を選定する「先進的なリフォーム事業社表彰」。このほど行われた表彰式において、選ばれた3社が事業モデルを発表した。

リビタ 内山博文 常務

住み手の立場で

 創業して10年になります。ハードウェアを刷新するという言葉がよく日本のリノベーションの分野では使われます。そういったリフォーム・リノベーションというソリューションの分野を活用しまして、住み手の立場に立ってより豊かな暮らしを実現していただきたいという思いで弊社は創業しました。

 現在京王電鉄グループが95%保有株主の会社です。結論のような形になるのですが、まさにこの業界に最初に入って感じた部分は、単なるリフォーム市場をリノベーション市場へ変えるだけでなく、いじられる側である不動産そのものの仕組みを変えていかないと。いわゆる90%近くが新築の住宅を買われるお客様というのが、日本市場。これを大きく転換していくことが我々の使命ではないかと実感しました。

 総評して感じますのが、私どもが例えば物件を買ってリノベーションして、それをお客様へ販売するといった時に、その市場にあるインフラ、その施工業者、設計者、設計施工会社含めてお客様に至るまで土地の流通インフラが一切整備されていないことを非常に感じました。

 新築はある意味資金さえあればかなりそこのフローはしっかりしています。有能な設計事務所に依頼し、有能なゼネコンへお願いすればハードウェア自体はできたんですね。それがリノベーション業界では、何がチェックポイントか、実際原価がいくら位かかるのか、そういったことすら慣例的にほとんどデータが揃っていないような状況です。事業ひとつをプロの私どもが始めるにあたってもかなりハードルが高いと実感しました。それがいわゆる今のストック市場、リフォーム・リノベーション市場のボトルネックの1つになっていると痛感しております。また税制等の話となりますが、10年前に始めた当時は、いわゆる新築と中古という言葉にありますように、新築が新しくて良くていいもの、中古が古くて悪いものと、税制含めて全てが新築を優遇する仕組みになっていると。このあたりも消費者に非常に大きな誤解を与える原因になっていると感じるところです。

徹底的に建物を調べる

 私どもが創業してまず始めましたのが、当時まだ企業社宅の売却が多かったので、一棟の企業社宅ですとか賃貸住宅を購入してリノベーションし、いわゆる新築マンションのように分譲していく事業です。これまで10年間で35棟、1000戸を超える実績を残してきました。

 ポイントを説明しますと、まずは徹底的に建物を調べるということです。今でこそインスペクションという言葉がありますが、当時は瑕疵保険の仕組みもありません。何もない中で独自の検査基準を設けて徹底的に調べてそれをお客様へ情報開示するところからスタートしております。その調査結果に基づいてリフォーム・リノベーションを行う。かつ私どもはお客様目線と申しましたが一棟分譲する際に作って売るのではなく、インフィルに関しては基本的にはお客様のオーダーメード、カスタムメードでやらせていただいています。

 また当時は耐震偽装の問題などもあったので、まずは建物がしっかりしたものが建てられているかどうか、破壊・非破壊含めて徹底的に調査して、勿論駄目な時にはそれを直すということをひたすら繰り返して中古住宅に対する信頼性を勝ち取ろうということを考えてきました。

 一方、ここで調査した結果を用いて、私どもの建物というものは売って終わりではありません。これからお住まいいただく方に修繕をお願いするにあたっての修繕計画を練り直すため、1つの大きな参考としてもらっています。また事業を行う上で、それ以外にも大きく5つのポイントを持ってこの事業に取り組んでおります。一言で申し上げますと、当たり前のことではあるのですが、いかにその持続可能な仕組みをプロジェクトの中に取り組んで購入いただいたお客様にそれを受け継ぐ。50年といわず100年、100年を超えるにあたっても、愛着を持ってお住まいいただくことを徹底的に考えていただきます。

 これを「リビタサステナビリティスタンダード」と呼んでいます。そういった意味で考えますと、少しハードウェアの問題とは離れますが、地域に対して何ができるのか、その建物が長く愛される上で非常に大きなポイントとなってくると思います。

築100年の長期修繕

 昨今に関しては、新築では提供できないものを様々な物件で事業を展開しています。ポイントは先ほど代表修繕の話を申し上げましたが、今、新築の世界では100年の長期修繕をたてる仕組みを管理会社は持っていません。これは外部のパートナー企業と連携しまして築100年まで長期修繕計画を立てるということを実施しております。

 あと私どもは普段ワンストップサービスと言われる仕組みで行っています。ただ他社と大きく違うのは、私どもは設計事務所でも施工会社でもなく、仲介会社だけでもなく、コンサルティングというところです。

 いわゆるまさにユーザー側の視点に立って、お客様がなかなか目の届かないところ、不安に思われるところを全て第3者的な視点でもってサポートしていく。これをリノベーションフルサポートサービスと呼ばせていただいております。

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