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エフステージ、マンション再販3000戸超に

エフステージ、マンション再販3000戸超に

エフステージ
藤島昌義 社長
1167号 (2015/05/05発行) 16面
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エフステージ 藤島昌義社長

エフステージ 藤島昌義 社長

年商は107億円

 東京都内で3,000戸超のリフォーム済みマンションを販売してきたエフステージ(東京都文京区)。同社は中古マンションを買い取り、リフォームした後に再販売する「中古再販」ビジネスを主力にしている。2014年11月期の売上高は107億円で、再販マーケットでは有力企業の一社。藤島昌義社長は「都心部に集中して東京で1番を目指す」と話す。

1件3000万円が平均

――年間にどれくらいのリフォーム済みマンションを販売していますか。

 前期は360件でした。1件の販売単価は平均で3,000万円程度になります。築年数は30年ほどで、おおよそ60平米くらいのマンションが中心。販売エリアはほとんどが東京都内になります。今期は400件弱の販売を目指しており、売上高では120億円の計画です。

――かなりの数を販売していますが、これらの物件をどのように仕入れているのでしょうか。

 私どもの会社には年間1万件ほどの不動産情報が来ます。この中からどの物件を購入するかというと、社内に蓄積されたデータに基づいて決めています。例えばこのデータの中には同業他社の再販物件が、最終的にいくらで売れたのかという情報があります。

 これが分かれば、いくらで仕入れていくらで売りに出せば良いのかという相場観が分かります。営業マンの個人の感覚に頼って仕入れる会社もあるのですが、私たちは売れると裏付けが取れたものだけを買うことができます。

自社のショールームで設備の仕様を確認することもできる
自社のショールームで設備の仕様を確認することもできる

完成しないまま販売開始

――販売面での工夫はありますか。

 私どもは物件を仕入れた後、だいたい400万~500万円かけてリノベーションするのですが、完成を待たずに工事中に販売を開始します。早期に販売するためです。実際に全物件のうち3割が完成前に売れてしまいます。

――工事中では、完成後のイメージがわきません。販売が難しいのでは。

 いくつか工夫があるのですが、1つは販売をお願いする不動産仲介会社にリノベーション後の完成イメージパースが載った資料を提供して、お客様に説明してもらっています。また、他の完成した物件や自社のショールームを見てもらうようにしています。また、私どもはグループ会社でリフォーム工事をしているので、現場のマナーや整理整頓をより徹底できます。そのため工事現場を見てもらうこともPRになるわけです。

――最近は再販だけでなく、リフォームの請負もスタートしましたね。

 リノステージというグループ会社でリフォームを開始しました。これまでは自社で仕入れた物件の改修がほとんどだったのですが、今後はエンドユーザーからの依頼を請け負っていきます。シニア向け、子育て世代向け、女性向けといった特定のターゲットを定めた商品をいろいろ開発して販売します。

 また、物件を持っていない方には、中古住宅探しとリフォームをワンストップで提供するサービスを、不動産会社と連携して手掛けていきます。請負については1件500万~600万円の全面改装をメーンにし、年内に月5件ペースで受注できるようにしていきたいです。

東京都で1番の実績

――本社は文京区ですが、最近渋谷に拠点を開設しました。こちらは中古再販の新たな拠点になるようですね。

 渋谷周辺には数多くの人気エリアがありますので、こちらのマンションの仕入れを強化していきます。私どもの目標は東京で再販戸数1番の実績をつくること。他社の実績などについてデータを取っているのですが、1番に手が届かないという数字ではない。地方展開はせず、より都心部に集中していきたい。

――今後、中古マンションの流通はさらに増えていくと思いますか。

 中古の需要は高まり、流通も増えていきます。そして、再販物件を買ったり、または、リフォームされていないものを古いまま買って自分でリフォームしたりと、買い方は多様化していくと思います。国も積極的にこの市場を良くしようとしているので、より中古住宅が買いやすくなるマーケットになっていくと思います。

【会社概要】
2002年に設立。資本金は9500万円。従業員数はグループ全体で110人。本社は東京都文京区、渋谷区に支店がある。売上高は107億円(2014年11月期)。
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