村地綜合木材 村地一洋社長
取引先を超えた共存共栄
村地綜合木材(滋賀県竜王町)は、WEB化推進による様々な情報提供に力を入れる一方、県内の工務店との連携を強め、「木の家倶楽部」の主宰をはじめ、集客から施工体制までのバックアップを行っている。村地一洋社長に経営理念や今後の展望について聞いた。
「電子カタログ広場」が好評

同社ホームページ『電子カタログ広場』
―― 御社のホームページは「電子カタログ広場」「お役立ち広場」「補助金広場」など、情報が分かりやすく充実しています。運営は社内で行っているのですか。
全て自社内で、基本は社員に任せています。中でも好評なのは「電子カタログ広場」ページでしょうか。当社が扱う建材・住設メーカー1000冊超のカタログを一覧から検索できます。賛助会員として加入している建産協さんの「カタらボ」とのリンクを利用させていただいているのですが、表向きはうちで揃えたように見えるため、メーカーさんからも「すごいね~」とビックリされます(笑)。
―― 売り上げはずっと順調に伸びています。
私が入社した16、17年前の売り上げは約13億円、先代が亡くなった6年前が約50億円、前期は8月決算で約70億円と、ほぼ右肩上がりです。今期は消費増税前の駆け込み需要の反動もありましたが、前期並みに落ち着きそうです。
―― 住宅用木材販売だけでなく、ほかの事業も拡大しています。
木材関係が3割、新建材が2割、水まわり等住宅設備機器が1割、サイディング等の外壁工事が2割、太陽光発電が1割、工事の請け負い1割といったところです。
―― 地元企業をネットワーク化した「木の家倶楽部」を立ち上げ、様々な支援を行っています。
当社のお客様の9割は滋賀県内です。そこで地域の工務店さんとの関係を深め、支援していこうと、7 年前から「木の家倶楽部」を主宰しています。年会費12万円を頂いていますが、取引がある約600社のうち、50社ちょっとの工務店さんが参加されています。懇親はもちろん、情報誌の発行や研修旅行、連続セミナー等で、設計の基礎知識等を学んだりしています。30~40歳代の方が多いですが、地域の同業他社さん同士ですので、参加されることでお互いの刺激にもなっているようです。
集客から職人支援まで
――"滋賀県の新築・リフォーム情報"に関するポータルサイト「シガ宅」の運営や、地元びわ湖放送のテレビCM等も「木の家倶楽部」としています。
「シガ宅」は、地元の工務店さんから"知名度がなく、集客が難しい"という悩みをお聞きして始めました。「シガ宅」ブランドでイベントを開催したり、テレビCMを流したりして一般の方への周知を図っています。
―― 限られた市場では競合ではなく協働した方がよいと。
仕入れや職人の手配なども1社1社で行うより、グループとして請け負い、マネージメントした方が効率的でコストを減らすことができたりするのですね。
―― 仕事があっても、腕のある若い職人の確保については、どこも死活問題となっています。職人の支援は喫緊の課題です。
今、職人さんの高齢化が進んでいますが、町の工務店さんでは新人を一人前になるまで教育していくのは、なかなか難しい状況です。当社は現在、正社員の大工が1人、見習いが2人、監督が3人いますが、その見習いは私が長崎県の高校に出向いて採用してきました。国の"大工育成塾"等も学ばせて、スペシャリストとして育てていこうと思っています。また町の設計事務所さんなども一人でやられているところが多く、高齢化が進んで大変なので、こちらで紹介できる体制を作りたいと思っています。今後は当社で設計、納材、工事等までワンストップで請け負って、地域で回していきたいですね。
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