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「相見積もり対策」テーマに討論《ジェル...

「相見積もり対策」テーマに討論 《ジェルコ関東甲信越大会》

日本住宅リフォーム産業協会
ジェルコ関東甲信越大会
1179号 (2015/08/04発行) 10面
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《ジェルコ関東甲信越大会》 信頼の構築で他社に勝つ

ジェルコ関東甲信越大会他社との相見積もりが発生した際の対処法は―
リフォーム会社の抱える課題をテーマに、パネルディスカッションが行われた。7月10日、栃木県宇都宮市で開催された日本住宅リフォーム産業協会(ジェルコ)の関東甲信越大会で、リフォーム会社4社の役員がパネラーとして登壇。それぞれの取り組みを紹介する。

ドクターリフォーム・サンセイ 山口慶之助 会長顧客と世間話ができる話力を

ドクターリフォーム・サンセイ 山口慶之助会長

 リフォームの業態を始めるにあたって、建物の「名医になろう」と志し、現在の社名にしました。名医は、患者の話をしっかり聞いて問診に時間をかけます。

 リフォームも同様です。問診をやらないでさっさと見積もりを出したりしても、お客様の意に叶うリフォームになるとは限りません。ですから、相談を聞き取るときにお客様と世間話ができるような話力がない人は、受注率は低いともいます。

 私は以前、お菓子の羊羹で2000万円の仕事を取ったことがあります。相見積もりで、あるお客様のお宅に伺った際に、羊羹を出されたことがあります。そこで「これ虎屋の羊羹ですよね」とお声をかけましたら、お客様がビックリされて一言で「あなたに任せます」と受注を頂きました。

 これは極端な例ですが、お客様は「自分のことを知ってもらいたい」と思っています。今回のお客様は、自分の心の内を知ってもらえたんだな、と発注してくれたのだと思います。

 相見積もりのまま深く商談に進むのではなく、その前段階でお客様の意向をくむことです。きちんとした話ができることや普段話ができることは、常々に見たり聞いたり、勉強していないとできないことです。

大堀商会 大堀正幸社長会社や営業マンを売る

大堀商会 大堀正幸社長

 "モノ売り"から"コト売り"に変わらければならないと思います。リフォームは建築と違って、サービス、人と関わって現場で作っていく業界です。ですから"コト"についてお客様に対する打ち出し方だったり、業務品質などの様々なものの価値をお客様にしっかり伝えることが大切なのではないかと思います。

 最近はジェルコの有志4社で集まって、全営業マンの契約率の推移を見て、相見積もりが発生して失注した場合に、どこが悪かったのかなどを検討しています。

 分かってきたのは、会社や営業マン自身の売り方。"コト売り"をし、契約率を上げるためには重要です。今まではアプローチブックなどをしっかり活用していたけれども、ないがしろにしたり、読むだけになっていたり、基本的な部分の怠りが見受けられたりしました。

 そこで、まずその基本的なことからしっかりやってみようと取り組んでいます。例えば、自己紹介の仕方から改善するだけで、実際に契約率が上がってきています。まさに"コト"の部分をしっかりやることを、営業マンが基本的に持っていないとダメなのだと最近分かってきました。

エバー 江原正也社長価格の基準と根拠を示す

エバー 江原正也社長

 現在は、お客様も大変勉強されていらっしゃいます。ホームページなどのインターネットの発達もあり、問い合わせる前に細かく情報を見ていらっしゃいます。そこで当社では、大型工事の最初から最後までの一連の流れを施工事例として掲載したりするなど、様々な工夫をしております。

 さらに、他社の見積もりを取ったお客様からのお声を聞きますと、高い、安いの話よりも「いくらなのか基準が分からない」という話が多く聞かれます。そこで当社では、スタッフに経済調査会の『積算資料ポケット』のリフォーム版を持たせており、相見積もりが発生した場合は、お客様にそれと見比べていただいております。

 そして、当社の基準、価格の根拠を示し、納得し、信頼していただくことで、相見積もりの問題を解消しています。

山口建設 山口博康 専務顧客の本当の想いをヒアリング

山口建設 山口博康専務

 日々考えているのが、お客様のために何ができるのか、ということです。最終的にはお客様に満足してもらうことが重要だと、日々社員と話し合っています。

 そこで、社員には「お客様の本当の想い」についてヒアリングするように日々指導しています。

 例えば、浴室のリフォーム。そもそもなぜ浴室のリフォームをしたいのか、という話から始めています。実際にお客様の本当の想いというのが、浴室のリフォームにつながるのか、もしかしたら手すりを一本つけるだけで解決するかもしれません。ヒアリングを通して、お客様の求める理想像に向かって私どもは行動しなければならないと思います。

 相見積もりについて、さらに話しますと、当社はネット経由の受注が多く、基本的には相見積もりが当たり前です。そこでお客様に満足していただくといった当社の考えですとか、担当者個々人がこれまで携わってきたリフォームの事例とか技術的な紹介とか、価格以外の訴求を商談の冒頭に行っております。

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