ユニマットリック(東京都港区)は、「これからのエクステリア」をテーマに業界関係者の情報共有と交流を目的としたイベント「RIK SQUARE! 2025」を、7月1日に東京・JPタワーホール&カンファレンスで開催する。同イベントでは、DX・AI活用事例やエクステリアの新たなビジネス展開のヒントを紹介する。3DCADシステム「RIKCAD」を8500社以上に展開するなかで、エクステリア業界に必要な要素をDX化と定め、業界改革を推し進める同社の小松正幸社長にイベントを通じて実現を望む未来を聞いた。
小松正幸社長
大事なのは「テーマ性をもった
エクステリア」であるか
──最近はエクステリア業界にどのような動向がありますか。
コロナ禍で「おうち時間」の増加に伴って、2020年からの2年間はウッドデッキやガーデンルームなどを中心に売れ行きが伸びて活況でした。住宅着工件数が減っても微増ながらずっと伸びていたのが、ここ1、2年で陰りが出てきたと感じています。建築費の高騰で住宅を建てるだけで精一杯になり、エクステリアなど付帯的なものにまで予算が回らないといった現状があります。
──そのような状況下で、リフォーム会社や工務店はエクステリアをどう考えていけば良いのでしょうか。
今後、テーマ性を持ったエクステリアが重要になってくると感じています。例えば、大雨などの防災に強い頑丈なカーポートや防犯にも役立つ照明、宅配ボックスなどは売れ行きが伸びている点からもまだまだ可能性があると思います。
ニーズの高いものを家の中と合わせて提案することで、顧客満足度も高くなるのではないでしょうか。
課題解決のカギは
「一気通貫の業務効率化」
──ユーザーニーズはありそうですが、エクステリア業界は課題もありそうです。何が大きな問題でしょうか。
大きな課題は人材不足です。働き方改革ができず賃金アップもできなければ、人の流出が止まらなくなりますよね。実際、経営者から採用や育成、定着ができないという声をあちこちで聞きますし、職人も減っています。人材不足の問題は、後々ボディーブローのように響いてくると思います。
もう1点は、アナログで業務効率化が全然進んでいないことです。エクステリア業界ではCADが行き渡っていて、3Dでのリアルタイムな提案力は高いです。
一方、顧客や物件、工事管理など一連の業務管理はいまだにアナログという会社が大半です。アフターまでの工程を一気通貫でDX化できる人やツールが少ないのが大きな課題です。
イベントを6年ぶりに東京でリアル開催
──それらを解決する術はありますか。
DX化によって、それらの工程を連動させる業務効率化です。最大のメリットは、粗利益が確保できてミスが減ることです。下請けでも粗利益を3割近く出している会社もありますし、粗利益や原価の管理をしっかりしてミスやクレームが減る会社は、人が入ってきて良い給料が出せて、育成もできます。
「DXとAI」の先駆者たちと
歩み出す未来
──7月1日に東京で開催するイベントでは、実際に業務効率化に触れられる内容のようですね。
今回のテーマは「DXとAI」です。特にAIは、この1年ほどでどう活用すれば生き残れるのかを考えている経営者が増えました。
イベントでは、限られた時間ながらDXとAIの先駆者をお呼びして提案していただきます。スマートフォンで簡単に測量できて、CADに取り込めばすぐに入力と初期プレゼンができるので、時短と提案力が爆上がりするといった内容です。近い将来、初期提案や概算見積もりはAIを使って、今まで図面を手書きして数日以上掛かっていたのが瞬時にできるようになるでしょう。
──小松社長が考えるエクステリアマーケットの展望を教えてください。
これから「本物の時代」が始まると思います。残念ながら、ひたすらモノを作って供給する時代は終わりました。でも、これはチャンスでもあって、お客様が求めるライフスタイルというニーズの実現に向けて、ハードからソフトを経て、価値を理解する必要性が明確になったわけです。
そのために、建築や造園、エクステリアといった区分けを取り払って理解できる力が求められています。僕はバーベキューが好きで自宅に専用のガーデンを作ったのですが、最高に快適です。愛犬と遊ぶ庭など、お客様が描くライフスタイルを施主目線で叶える力を持てば、まだまだマーケットは広がると思います。
会社名 | :ユニマットリック |
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代表者名 | :小松正幸 |
本社所在地 | :東京都港区 |
設立年 | :1988年 |
資本金 | :5000万円 |
事業内容 | :ビジネスソリューション事業、空間デザイン事業、ソーシャルソリューション事業 |
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