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見積書は人間性を写し出す鏡、競合に勝っ...

見積書は人間性を写し出す鏡、競合に勝った営業マンの信用力とは?トラサン

リフォームセールスマガジン (2013年10月号) 14P
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リフォームセールスマガジン

トラサン 伊藤智彰(久喜店)店長

トラサン 伊藤智彰(久喜店)店長

リフォーム専業店・トラサン(埼玉県久喜市)の伊藤智彰店長は、施主のリフォームに対する不安感や疑問点を先回りして解消することでリフォーム検討客からの信用を獲得し、相見積りに勝利している。つい先日も、親戚の大工にリフォームの依頼を検討していた新規客から、1000万円を超える大型改装を受注している。

「相見積りは人と人の戦いです」

「相見積りは、人と人との戦いだと思っています。金額では張り合いません。信用力で勝てれば見積り金額が競合他社よりも高くても間違いなく契約を頂けます。営業マンとして信頼を置いてもらうため、お客様の工事に対する不安や要望をしっかりと汲み取って対応することを心掛けています」(伊藤智彰店長)
 先日も大型改装の依頼を検討していた施主から、リフォーム相談があった。その施主は60代の夫婦。既に元々親しくしていた親戚の大工に見積りをとっていたが、どんでん返しで見事1000万円の契約を獲得した。

 伊藤さんが選ばれたポイントは2つある。第1のポイントは、その一人親方の大工よりも分かりやすい見積書で提案を行い、工事内容に対する不透明さや不信感を取り除いたからだ。

「見積書を作る際は、後からでも調整しやすいよう工事の項目ごとに明記しています。また特に気を付けているのが、後から予期しない追加工事が出てしまわないようにすることです。追加が予想できる工事内容は最初から見込んで見積りを作ったり、但し書きを付けておいたりして、その工事の必要性を説明します」

 こうしておくと、他社の見積書にその項目が入っていなかった場合、トラサンの伊藤という営業マンはここまで考えてくれていたという良い印象を持ってもらえる。ちなみにその一人親方の大工は、ざっくりとした一式表示の見積りだった。施主が細かく明記して欲しいとお願いしたところ、"一人でやっているため詳細の見積りを出す時間がない"と断わられてしまったそうだ。

工期のクリアが契約の決め手に

 第2のポイントは、施主の工期に対する不安を取り除いた点だ。

「リフォーム内容が、増築したり外装を張り替えたりと大がかりだったため、お施主様は工事がずるずると長期間に及んでしまうことを心配されていました。その大工さんは、仲間内の職人に声をかけて工事する予定だったからです。さらにお施主様は、その大工さんと親しかったため"何かトラブルがあった際に強く言いづらいのでは?"という不安もお持ちでした」(同氏)

 そこで伊藤さんは"私に依頼して頂ければ、年内に終わらせるように差配させていただきます"と工程表を見せながら説明。その一人親方が半年かかるリフォームを、約3カ月で終わらせる工程を組みアプローチした。契約になるかどうかは、現場調査の段階ではまだ五分五分の状態だった。商談を進めていくうちに施主も親戚の大工よりも伊藤さんに信頼を置くようになった。最終的に工期の問題がクリアになったことが決め手となり、「伊藤さんは信用できるから」という一言で契約に至った。

「私は契約書にサインをもらう際、なぜ選んで頂けたのかを必ず聞くようにしています。その中で多いのが"伊藤さんの方がちょっと高かったけど、任せられそうだったから"といったお言葉なんです。また会社の知名度よりもどんな担当者なのかを重視される方はとても多いです。見積額が僅差な時ほど人が勝負になります」(同氏)

相見積り対策.01 時間厳守でマナーを徹底

「商談に遅刻したことは一度もありません。2~3分前には必ず到着します。営業マンのマナーはなっているか、お客様はそういった基本的な部分をチェックしています」と伊藤さん。遅刻を防止するために伊藤さんが心掛けていることは2つ。

「まずは余裕を持ってスケジュールを組むことです。新規客との打ち合わせはたっぷり時間をとります。また商談に使う資料などは必ず前日までに準備します。当日の直前に準備すると慌てることになり、時間が遅れがちになります」

契約前に工程を予め想定しておく相見積り対策.02 契約前でも工程を予め想定しておく

伊藤さんは見積り書を提示する際、最短の日数で着工可能な工程表まで用意しておく。

「工事に対して漠然としたイメージを持っている方が大半なので、工期に関して質問があった際にすぐご説明できます」これにより用意のいい営業マンという印象を持ってもらえる。

「工事期間や、いつ頃から工事が可能かという点については、お客様の側から質問する方としない方に別れます。質問がなかった場合は、こちらから説明するとリフォームのイメージが湧き安心感に繋がります」

相見積り対策.03 追加工事が発生しない見積書で印象アップ

追加が発生しない見積書で見積り書は、予想されるトラブルや追加工事を予め盛り込んだものを作り説明を行う。

「例えばクロスを張り替える際の木枠の塗装などは、聞かれていなくても予め見積りに加えます。クロスの張り替えのみですと木枠だけみすぼらしく見えてしまうからです」他社の見積書が木枠に配慮されていなかった場合、「この人に任せておけば大丈夫」という安心感につながるのだ。


この記事はリフォーム営業マンを応援するビジネス誌
 『Reform Sales Magazine
 リフォームセールスマガジン』 から抜粋しました。
(毎月15日発行/A4サイズ/28ページ/オールカラー)

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