10年先を見据えた自然素材の家づくり
今回紹介するのはハイブリッドホーム(東京都千代田区)の山森恒治氏。同社には15年前の創業時から在籍し、5年ほど前に町田店の店長に就任した。リフォーム営業としてのモットーは"人"と"先"を「見る」ことだという。
ハイブリッドホーム(東京都千代田区)
町田店 山森恒治 店長
《PROFILE》
専門学校で室内デザインを学んだ後、大手住宅メーカーへ就職。リフォーム事業に11年間携わり、15年前のハイブリッドホーム創業時に転職した。趣味は建築探訪。
意思の疎通が信頼に
絵を描くことが好きだった山森氏は室内デザインに関心を持ち、高校卒業後は建築の専門学校へ進学した。専門学校卒業後には、大手住宅メーカーに就職。リフォーム事業に約11年間携わった後に退職し、ハイブリッドホームの創業メンバーとなった。
山森氏が5年ほど前に店長に就任した町田店は、毎月60~70件の引き合いがある。スタッフは山森氏も含めて5人。売り上げ目標に向かって、協力し合いながら効率よく業務を行っている。
地域密着の迅速な対応が強みで、リピート率も高い。「会社にファンがつくことが理想ですが、やはり人対人。こういうスタッフがいるんだと覚えてもらうと口コミで広がっていきます。
顧客と話す際には、その人をよく観察し、相手が言いたいと思っていることを察知するようにしているという。たとえ契約が取れなくても、過程においてどれだけ信頼を得たかが次につながる。
相見積もりを取った結果、思い切れずにリフォーム自体をやめてしまった人も、検討してから2~3年後に話を復活させることもあるという。「思いを感じ取り、意思の疎通ができたかが大事です」
時を経て味が出る作品を
自身のリフォーム事例を「作品」と呼ぶ山森氏。リフォームして5年10 年経ったときに、作品が大事にされているところを見ると喜びを感じるという。
時が経ってから味が出るように、なるべく既製品を使わず、漆喰や無垢材など天然素材を使用したリフォームを手がけている。
「点検に伺った際に、完成時よりも良い味が出ていて、ウキウキしながら楽しく快適に過ごしていますと言われたときが嬉しいです。職人の手仕事を根絶させないようにしていきたい」と語る。
モットーは「見る」こと
共通項は「お客様の立場に立つ」
●人を見る
施主はもちろんのこと、スタッフや職人、メーカーの担当者までリフォームのプロセスに携わる人たちのことをよく観察し、性格を読み解く。施主を見るときのポイントは趣味やファッション、身につけている色、家のテイストや家具、家族構成など。
職人も性格や技量を把握して頼み方を変えたり、施主との相性も考慮して配置する。「人が動かないと出来上がらない仕事ですから、何を感じているのかリードして読み取っていかないと良い仕事はできません」と山森氏。
「お客様を中心に、みんなが結集して作品が出来上がることが理想です。工事は前向きな環境でやるのがいいと思います」
●先を見る
「10年先を見据えて設計することがいい」と語る山森氏。自然素材を使用し経年とともに味わいが出るようなリフォームを行うのも、完成後がピークではなく、その先も愛着の持てる家にするためだ。
また、何を言ったら相手がどんな反応をするか一歩先を見ることもコミュニケーションのコツ。
