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コミュニケーション不足や不満のある労働体系、ストレスを抱える社内環境は、社員のパフォーマンス向上を妨げる要因となる。成果につながる働きやすい環境づくりには、業務効率化の仕組みや研修の充実、評価制度に待遇面など、さまざまな方面からのアプローチが可能だ。実際に環境整備に注力している会社に、その取り組みを聞いた。
愛知県内に3店舗展開するオケゲン(愛知県豊田市)は、リフォームのほか修繕やガス工事を含めて年間約2400件の工事を手掛けている。担当者によって工事内容や品質にムラが生じやすくなることに対し、パック工事化の推進で標準化を図っている。
オケゲン(愛知県豊田市)
1908年創業の総合リフォーム店で、県内に3店舗展開する。リフォームのほか修繕、ガス工事も含めると年間2400件、年商約8億円。店舗改装も含むリフォーム事業での年間売上高は7億6000万円、受注件数は2020件。従業員数は30名。最も多いのは水回り設備機器の入れ替え工事で、200万円以内の工事が多い。
みよし店 店長 神谷浩平さん
各人各様の提案をムラなく均一化
オケゲンは、創業100年超の地域密着型のリフォーム専門店だ。主な工事は水回り設備関連の工事で、200万円以内の小規模工事が多い。最近は1000万円規模の工事も増えてきて、今後はリノベーションや内装に特化したブランドを立ち上げる予定だ。
同社みよし店店長の神谷浩平さんは、「案件が増えてくるなかで、協力業者や担当者間で施工の標準化ができていないためにムラがでてきた」とし、工事品質と顧客体験のバラつきが課題だと話す。
「会社としてこれを提案していこうというベースが以前はなく、取り換えと処分しかしない、ということがありました。オプション内容も人によって差が大きく、『○○さんは提案してくれたけど×さんはしない』や、同じ工事依頼でも見積もりが大きく違うといった問題がありました」
そこで、パック工事化を推進した。目的は品質の平準化と、顧客への提案レベルを一定化することだ。
パック工事の価格・内容が分かりやすいチラシ
パック工事のメリットは、オプションを含めたリフォームメニューをあらかじめつくることで、提案内容のばらつきや見積もりの差が少なくなったことだ。同社のホームページでは、部位別、メーカー別の工事価格を記載している。価格には商品代のほか、解体・撤去、組立・設備、給排水、下地補修、仕上げなどがすべて含まれているため、一定程度の工事品質が守られる。またこの提案ベースがあることで、営業の効率も上がった。顧客はホームページを見れば事前に予算感が分かるため、成約までのスピードが上がった。
「見えていることが安心感につながって、成約率も高くなりましたね。結果的に効率よく一定レベルの提案ができていて、生産性が上がったと感じます」








