
「計画通りでないと納得いかない」
大事なのは失敗を許容するゆとり
父と衝突しながら、会社のためにドライな一面も
代表取締役
鍵本 実さん
地域密着のリフォーム店を実父から引き継いだ鍵本実さん。24歳のころに、前職で営業所所長を務め挫折した経験がある。そのときに「楽しいだけでなく、会社を守らなければ」と感じたことが、その後の働き方や考え方に影響を及ぼしているという。
山口を出ずに地元で働きたい
山口県下関市で、地域住民の困りごとに応えるリフォーム事業を手掛けるリフォームたつみ。同社は現社長の鍵本実さんの実父が2008年に立ち上げたリフォーム店だ。
「私の出身は神奈川なんです。会社員、寿司屋、移動販売といろんな職に就いていた父が、家族の看病のため山口に戻ってラーメン屋を開業して。20年くらいして、そろそろ店を畳もうかと思った時期に、伯父がリフォーム店を立ち上げるとなって、5年くらい手伝ったそうです。運営の行き違いが生じて、2008年にリフォームたつみとして独立しました」
鍵本さんが大きな転機を迎えたのは、大学3年生のときだ。学園祭の実行委員としてイベント運営の手配を進めたり、販促に関わったりするなど多忙な毎日を過ごしていた。ゼミも欠席しがちになっていて、あるとき教授から「学園祭とゼミとどっちが大事?」と詰められた。
「アーティストの出演料はチケットが売れなければ自腹、みたいな状況で、こっちは必死なのに、責められることに納得がいかず衝突しました。これに限らず、納得いかないことが本当に許せないんです。結局、ゼミをやめて単位が取れなくて、半年留年したんです。就職も遅れるし良くない思い出です」
入社した業務請負の管理会社では、2年目には営業所長に任命された。その後転職し、人材派遣管理会社に勤めていたが、所属していた山口営業所の廃止が決まる。この頃ちょうどリフォームたつみが軌道に乗り始め、父から「手伝わないか?」と誘われていたという。
「5歳で移り住んでからずっと山口にいるんです。地元から離れて働くことは考えていなかったので、前職は辞めると決めました。転職も考えましたが、山口で働くことが第一優先だったので、それならばと父の誘いに乗ることにしました」
こうして鍵本さんは、2012年に専務としてリフォームたつみに入社した。
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