住宅の省エネ改修などを対象とする国の補助金「住宅省エネ2024キャンペーン」(予算総額4615億円)のワンストップ申請の受付開始が、1カ月以上も遅れていることがわかった。事務局は4月中旬を目途に交付申請の受付を開始する予定だと案内していた。だが、5月22日時点でまだ開始されておらず、遅延の発表や説明がない状況だ。
「12月に施工を終えたお客様から『まだ申請していないのか』という問い合わせがありますので、弊社の都合の遅延で遅くなっていると誤解を受けており、対応に困っています。事務局ホームページには遅延について発表や、開始の目処について案内がありません」(リフォーム会社の担当者)
同キャンペーンは国交省主幹の「子育てエコホーム支援事業」、環境省主幹の「先進的窓リノベ2024事業」、経産省主幹の「給湯省エネ2024事業」など4事業を合わせて、ワンストップ申請ができることをメリットとして打ち出している。
ワンストップによる利便性の良さだけでなく、複数の事業を組み合わせることで補助要件が消費者(工事発注者)にとって有利になると案内している。例えば、子育てエコホーム支援事業を単独で交付申請する場合、補助額の合計が「5万円以上」のリフォームを行うことが必須条件になる。だが、他の事業と合わせて申請すると、この条件が「2万円以上」にハードルが引き下げられる。
各事業別の交付申請受付こそ3月29日から4月2日にかけて始まったが、個別の申請よりもワンストップ申請による消費者(工事発注者)のメリットが高いため、申請を見合わせている事業者が出てきている。「私たちだけでなく、お客様をお待たせしているのが、非常にストレスになっています」(リフォーム会社の担当者)
キャンペーンを統括する国交省は、いつ頃始まるかという本紙の問いに対し、次のように回答した。「調整協議中です。準備を進めた上で、ワンストップ申請ができる形で対応させていただきます」
住宅省エネ2024キャンペーンの公式サイトのスクリーンショット。
5月20日時点でも「4月中旬に開始予定」と案内している
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