住宅の省エネ改修に補助金が出る国の補助金事業「住宅省エネ2024キャンペーン」(予算総額4615億円)において、予定されていた「共同住宅等のワンストップ・一括申請システム」の運用が見送られることとなった。
マンション、二世帯住宅、長屋など複数戸が共存する共同住宅等のリフォーム内容を同キャンペーン4事業に申請する際、もっとも有利な補助額になるよう工事を割り振り、一括して受け付けるシステム構築を進めていたが、これを断念した形だ。
システム構築を担当していた子育てエコホーム支援事業事務局の主幹である、国交省住宅局の担当者は今回の原因を次のように説明する。
「今年度は、戸別のワンストップ申請も当初予定より2カ月以上遅れた6月28日からのスタートとなりました。キャンペーン各事業の主幹も昨年度とは異なり環境省、経産省、そして国交省の3省に分かれ、かつ事務局も変更となったことで進行が予想以上に難しく、このような遅延を招いてしまいました。共同住宅におけるワンストップ申請も、本来であれば夏頃からの開始を想定していたのですが、全体的な作業工程の遅れが影響し、断念せざるを得ないという結論に至りました」(国交省住宅局の担当者)。
住宅省エネ2024キャンペーンの公式HPのスクリーンショット。国交省主幹の「子育てエコホーム支援事業」、環境省主幹の「先進的窓リノベ2024事業」、経産省主幹の「給湯省エネ2024事業」「賃貸集合給湯省エネ2024事業」の4つの事業を組み合わせることで補助要件が消費者(工事発注者)にとって有利になることが謳われていた
個別ガイダンスによるサポートを実施
その代替措置である個別ガイダンス「集合住宅リフォーム(一括)申請サポート」が、電話・メール・オンラインを介して実施されている。問い合わせの申請予定内容に応じて、もっとも有利な補助額となるパターンを提示し、申請上の注意事項とともにアナウンス。申請者はその内容に応じて、同キャンペーン各事業別において用意されている「共同住宅等の一括申請システム」を活用して別々に申請を行う必要がある。
「ワンストップ申請を望む事業者様の声にお応えできず、反省しています。次年度の予定はまだ白紙の状態ですが、仮に今回のような機会があれば、ご迷惑のない進行を実現させたいです」(国交省住宅局の担当者)
今後の申請フローチャート
※事務局HP「集合住宅リフォーム(一括)申請ガイド」参考に作表
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