国土交通省は、長期優良住宅化リフォーム推進事業を開始する。補正予算が成立し、2013年度は20億円の予算が割り当てられた。同事業は、既存住宅の性能向上リフォームに対して工事費用の3分の1、最大で100万円の補助金を助成する。
補助金最大で100万円
補助金の対象要件は、以下の2点。1点目は、基準を満たす劣化対策と耐震工事を行った上で、外壁、屋根の改修工事や環境負荷の低い設備への改修が行われること。性能向上に関係しない設備交換や内装工事などは補助の対象外となる。
2点目は、インスペクションの実施とともに、工事後に交付申請内容の適合を確認する書類およびリフォーム履歴、維持保全計画書を提出すること。インスペクションやリフォーム履歴、維持保全計画書の作成に関わる費用等も補助金の対象となる。
13年度予算分については、14年9月までに工事に着手し、15年1月末までを完工書類の提出期限としている。
同事業は、インスペクションを組み込んだリフォームを行う事業者の普及を図る側面もある。インスペクションの推進は、中古住宅の適切な建物価値の評価を実現することが狙い。単なる補修ではなく、リフォームの先進的なモデル事業と国交省は位置づけている。
インスペクションを行う事業者は、13年度事業については、工事内容に合う建築士資格を持つ者が作成するが、次年度以降は、インスペクション登録資格などを持つ者に作成を限定する可能性が国交省からすでに指摘されている。関連して国交省では、昨年6月にインスペクションのガイドラインを作成。11月にはガイドラインに準拠した第1回講習会を住宅瑕疵担保責任保険協会が全国10都市で開催し、約1400名が参加した。
昨年12月12日の補正予算案の閣議決定では、新築並みに行う改修については補助金額が最大で200万円だったが、「今回は補正予算というスピード感を重視して、100万円を上限とすることに決まりました」(国土交通省住宅局住宅生産課・豊嶋太朗企画専門官)
なお、自治体でも同様の補助金事業が行われているが、国への申請から耐震の実施項目を除くことで、併用することは可能。ただし、工事後の維持保全計画書作成段階で耐震改修が終了しており、劣化対策とともに必須要件を満たしておかなければならない。

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