大分県の県境にある人口約8000人の町・上毛町で、築100年以上の空き家の古民家(98平方メートル)が、大学生らの手によってリノベーションされた。
過疎化に伴って増えている空き家を「田舎暮らしのシンボル」として再活用することで、同町が進める定住田舎事業のPRなどにつなげていくことが狙い。町の交流拠点や同町への定住希望者の窓口などでの活用を目指している。
空き家を「田舎暮らしのシンボル」に
プロジェクトは昨年12月に「古民家活用プロジェクト」として始動。不動産開発会社のDMX(福岡県福岡市)に事業を委託し、公募で集まった九州大学、北九州市立大学、佐賀大学などで建築を学ぶ学生7人と設計事務所の社員1人が参加した。
工事は教育プログラムという形で進められた同プロジェクトが終わる3月31日前に終了、学生らが専門家の意見を聞きながら、地域住民と議論し、設計から施工まで進めた。
古民家として良い部分は残しながら、不自由なく使えるようにしたのが特徴で、外装は瓦をふき替える等して整えるだけだったが、中は床張りの交流スペースなどを設け、広く使えるように機能的に改修。昔ながらの土間は残し、周防灘が見下ろせる景観の良い場所はガラス張りの壁にするなどの工夫も施した。
同古民家は6、7月頃に実施する予定のお披露目イベントを皮切りに本格的な活用を進めていく予定。同町の嘱託職員が常駐し、外部からの来訪者等との橋渡し役を務める。「プロジェクトや古民家での交流を通じ、学生さんなど若い世代も上毛町に愛着を持ってもらえるようになってほしい。また住民主体での空き家改修が増えていくきっかけにもなれば」(同町担当者)。

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