- トップ
- > 家電・ホームセンター
- > カインズ、中古工具取り扱いアクトと委託販売で協業
ホームセンターのカインズ(埼玉県本庄市)がこのほど、工具リユースのアクト(東京都豊島区)と連携し、カインズ店頭で中古電動工具の委託販売を始めた。プロ職人からの知名度が高いアクトが、プロ層の顧客開拓を図りたいカインズを支援する。ホームセンターでリユース品を売る例は珍しく、注目を集めそうだ。
カインズ町田多摩境店資材館 PRO外観
6月3日に「カインズ町田多摩境店資材館PRO」(東京・町田)の一角にアクトの売り場を開設した。商品を所有するのはアクトで、カインズが委託販売する形式。
カインズ町田多摩境店資材館 PRO内の中古工具販売コーナー
カインズはリユース品の取り扱い開始について、「電動工具のリユースマーケットの広がりを見て、循環型経済を意識した事業作りに踏み切った」(カインズプロSBUオムニ企画部・部長)という。
両社は催事買取で連携してきた関係があった。「アクトさまとは、カインズ新座店資材館PRO(埼玉・新座)での催事買取でご一緒させて頂いていた。アクトさまはお客様への保証対応が手厚く、強力な提案力がある」(同)
アクトは買い取りや中古販売でさまざまなメーカーの工具に触れてきたことから、高い商品知見を持つ。買い取ってから自社でメンテナンスを施して再販しており、こうしたプロ職人と同じ目線に立って商品に触れてきたリソースが、プロ層の集客を強化したいカインズに生かされる格好となる。アクトとしては自社店舗の「アクトツール」以外での販路が増え、メリットがある。委託販売で扱うのは、電動工具やエア工具などのプロ用モデルが中心。アクトで売れ筋の商品を厳選していくという。カインズとしては、これまで扱ってきたプロ向け工具やDIY工具とは異なるラインナップをアクトから商品供給してもらえることで、売れ筋の把握にもつながる。プロの来店が増えれば、資材や建材などをクロスセルで購入してもらえる可能性も上がる。
なお、本協業により、催事買取を行う店舗が新座店資材館PROに加え、町田多摩境店資材館PROも対象となる。アクトは毎週土曜日に週替わりで、2店で催事買取を行っていく。カインズは国内200店を超えるホームセンターの最大手。一方で、アクトは工具リユースの先駆的企業で、年商16億円ほど(22年6月期)を売り上げる。直営12店、FC3店を展開している。
カインズで中古電動工具の露出が増えれば、両社にとって成長ドライバーとなりそうだ。

最新記事
この記事を読んだ方へのおすすめ
-
1653号(2025/06/16発行)1面
-
1641号(2025/03/17発行)1面
-
1637号(2025/02/17発行)1面
-
1636号(2025/02/10発行)1面
-
1634号(2025/01/27発行)8面