望みグループホールディングス(岐阜県高山市)は新築・リノベーション事業で年商約27億円を売り上げる工務店だ。売上は5年間で約2. 5倍に伸ばした。要因は新築のラインナップの拡充とリノベ事業だ。
リノベに本腰、単価2000万円
製材業からビルダーに
同社は4つの子会社を持ち、さまざまな価格帯の新築住宅とリノベを提供する会社だ。主要子会社は古川製材。同社はミドル層〜ハイクラス層向けの高級注文住宅が売りだ。2つ目の子会社は日本住環境研究所。同社はローコストな住宅と平屋を手がける。3つ目は「つ・な・ぐ」。「リラクス」ブランドでリノベを担う。もう1つは2016年にM&Aをした叶不動産。土地の仲介などを担う。

2022年9月期の連結売上は約27億円。そのうち85%を占めるのが新築注文住宅だ。同社は1919年に創業した製材の老舗だが、2007年に住宅事業を開始し、業態をビルダーに転換した。2013年に4代目で現社長の倉坪茂親氏が代表取締役に就任後、「NOZOMI HOME」ブランドの注文住宅を積極展開。断熱・耐震などの高い性能に加えて、高級感のあるデザインで差別化した家だ。
競合と捉えたのは大手住宅会社、一条工務店。同社は高性能が売り。そこで、性能は同等レベルにして、デザインで勝れば受注できると判断。その結果、建物の平均単価が3500万円と高いにもかかわらず年々受注棟数を伸ばしてきた。開始した2008年ごろは年間4〜5棟だったが、35棟完工するほど拡大した。
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