工務店の新和建設(愛知県北名古屋市)は古民家リノベーションに力を入れ、前期は22億8000万円を売り上げた。2017年からの5年間で、300件以上の古民家再生を手掛け、うち2割が築120年以上に及ぶ。まさに同ビジネスのスペシャリストだ。
単価5000万円
同社は2000万円以上の大型案件を前期76件ほど手掛けた。そのうち約4割を築50年超の古民家リノベーションが占める。一坪あたりの単価の目安は70万円ほど。同社の新築と大きくは変わらない額だ。大黒柱や当時の建具、梁などを残しつつ、モダンなデザインに蘇らせる。さらに耐震性も高める。例えば建物をジャッキアップして水平にする。床下全体に鉄筋を施したコンクリートを打って安定させる。高減衰ゴムを使い、制振性も高める。また、硬質ウレタンフォームの吹き付けなどにより等級4レベルの断熱性能を目指す。
「新旧が融合した空間を作る。新築にはできない味わいになります」と、リフォーム担当の清水誠二次長は話す。
築107年、93坪の古民家を再生したケースでは、単価は5000万円に及んだ。玄関は丸太梁や千本格子を残し、和風旅館のような趣に。リビングでは、テレビの背面にある壁の裏に収納スペースを設置するなどして、見た目をすっきりとさせた。施主は当初、大手住宅メーカーで新築に建て替える予定だったが、「日本の伝統家屋の文化を残したい」という思いを持っていた。新築かリノベか。4社ほどの相見積もりの末、同社に依頼することを決めた。

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